1995年大阪開催のAPEC首脳会合において、APEC活動推進上、民間との交流の必要性・重要性に配慮し、各エコノミーから3人のビジネス界の代表からなる常設委員会の設立を決定。以来、APECの行動計画の実施を監視するとともに、その他のビジネス部門の優先事項について提言を出している。ABACの議長はその年のAPECの議長国が務めることになっている。
ニュー・エコノミーに関する行動指針は、APEC参加国・地域における、生産性の向上、成長の促進、社会全体へのサービスの拡大を目的とした先進情報技術の活用支援のためのプログラムを概説するものである。行動指針には、市場、電子商取引、インフラストラクチャー、知識・技能の開発、通信・インターネットへの経済的・効率的なアクセスの確保の強化を目的とした枠組みを整備するための取組みに向けた、政策環境の促進・能力構築が含まれる。
APECは、アジア太平洋のエコノミーの相互依存関係が強まるなか、1989年に設立された。地域の人々の安定・安全・繁栄を高めることを目的とした21ヶ国・地域のフォーラム・集まりである。
ABACが98年にAPEC首脳に提言。食料生産者、食品加工業者及び消費者を効率的に結ぶAPEC地域の活力有る食料システムを展望するもので、全消費者が長期にわたり手頃な価格で食料を入手可能であること、また、食料部門が地域の持続可能な経済発展に貢献することが目的。その実現のために、農村地域のインフラ整備、最新技術の普及、食料貿易の促進、の3分野での協力を提言している。
上海アコードで設定された貿易円滑化の目標達成のための枠組みとスケジュールを規定するもの。APEC貿易円滑化行動計画には、国際貿易取引コストの削減のための具体的な行動と措置のメニューが含まれている。行動と措置は (1)モノの移動(税関、港湾、検疫、その他の関連手続を含む)、(2)基準、(3)ビジネス関係者の移動、(4)電子商取引、の4つのカテゴリーに分類される。
1993年にAPEC首脳が発表した、アジア・太平洋各国・地域共同体の展望で、開放性とパートナーシップの精神の発展、飛躍的な経済成長の継続、国・地域間のモノ、サービス、資本ならびに投資の自由な流れ、経済成長の利益の国民による共有、が特に謳われている。
2001年10月のヴェトナムでのASEAN+3経済閣僚会合時に平沼経済産業相より提案され、ASEAN の主要12カ国により2002年7月 設立されたもので、最新のe-Learningの技術のシェア、e-Learning システムとコンテンツの相互接続性の推進、及び、効果的使用法に関する知識の展開推進を 産、学、官で協力する国際ネットワーク。
アジア太平洋地域の電子学習に関する課題を研究するために、電子学習プログラムを推進する民間企業(現在9社)が自主的に集まり、民間・政府各々のベストプラクティスについて報告書の作成・提言を行うイニシアティブで2001年に発足した。プロジェクトの資金は各社の出資により賄われている。
ボゴール目標における2010/2020というタイムテーブルに先んじて、貿易の自由化を促進しようとする動きが、ATLイニシャティブと呼ばれるものである。具体的には、98年のAPEC(クアラルンプール開催)におけるEVSL(早期自主的分野別自由化;後述)がある。当時、EVSLは、15の主要分野に関して自由化をねらったが、難産の末、APECは、EVSLとして最初の9分野における関税に関する議論をWTOに移し、参加国の範囲を広げ、強制力を付与する方向に進んだ。
BIS(国際決済銀行)を事務局とするバーゼル銀行監督委員会が策定作業を進めている新銀行自己資本規制(BIS II)。1988年7月に「国際業務を行う銀行=8%以上の自己資本比率」の国際統一基準を定めたが(BIS I)、その後の金融技術革新の進展や金融経営の変革に伴うリスクの高度化・複雑化に対応するため規制内容の抜本的な見直しを行っている。BIS IIでは、信用リスク計測の精緻化や、リスク対象としてのオペレーショナル・リスクの付加、リスク計測に当たって銀行内部でリスク管理に用いているデータ・手法を使うオプション許容等、が大きな変更点。2006年末までにBIS IIの適用開始を目指している。BIS IIでは監督当局に独立した役割を求めており、2002年のABAC提言では、監督当局による広範な準備、必要な法律・規則の改正、当局間の情報開示・協力関係の強化、官民合同の能力構築イニシアチブの推進等を提言している。
1994年、インドネシアのボゴールにおいて合意された目標で、2020年までに自由で開かれた貿易・投資を実現させるというAPEC参加国・地域の取り組み。APEC域内の国・地域毎の経済開発レベルの差異を考慮し、先進国は2010年までに、途上国は2020年までに自由で開かれた貿易・投資を実現することになっている。
1996年にAPEC首脳によって採択されたAPECのマニラ行動計画(MAPA)は、個別行動計画(IAP)と共同行動計画(CAP)、ならびにボゴール目標に記述された共同行動に関する進捗レポートで構成されている。CAPと呼ばれる共同行動計画は、APEC加盟国・地域が共同してその目的とする (1)貿易と投資の自由化と (2)その円滑化と (3)経済・技術協力の目標に進めるための域内共通の道筋・計画として合意したものである。現在は、以下の14の分野についてそれぞれの障壁の削減と貿易投資の自由化推進のための条件整備を目指すものである;
(1)関税(Tariffs)、(2)非関税措置(Non-tariff Measures)、(3)サービス(Services)、(4)投資(Investment)、(5)基準及び適合性(Standards & Conformance)、(6)税関手続(Customs Procedures)、(7)知的所有権(Intellectual Property Rights)、(8)競争政策(Competition Policy)、(9) 政府調達(Government Procurement)、(10)規制緩和(Deregulation/Regulatory Review)、(11)WTOの実施(Implementation of WTO Obligations)、 (12)紛争仲介(Dispute Mediation)、(13)ビジネス関係者の移動(Mobility of Business People)、(14)情報収集及び分析(Information Gathering and Analysis)。
CAPは、各国が自主的に推進することが期待されるIAP(個別行動計画)と対をなすものである。
能力構築とは、経済技術協力が掲げた本来の目標に基づく、国・地域、ビジネス、個人が相対的競争力を持ち成長に関与するための、制度、機構、人材能力の強化・開発である。
チェンマイ・イニシアチブ(CMI)は、ASEAN+3が地域の金融安定性推進のために設立した、地域的金融協定である。拡大ASEANスワップ協定と、ASEAN諸国、中国、日本、韓国の二国間スワップ協定ネットワークとの2つからなる。
元来ASEANスワップ協定は、ASEAN創設5か国が、国際収支に苦しむメンバー国への金融支援を行うために設立された。CMIはこの対象をASEAN諸国全体をカバーするように拡大するものである。さらにCMIは、ASEAN諸国、中国、日本、韓国間の二国間スワップ協定と現先取引ネットワークを提供し、国際収支に苦しむ国への一時的資金調達を可能とする。
国際食料農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で 1963年に設立した委員会で国際的な食品規格を作り消費者の健康を守るとともに食料品貿易上の公正な取引を図ることを目的としている。2000年3月 コーデックスのバイオテクノロジー応用食品特別部会が開催され、遺伝子組替え食品(GMF)などの安全性評価について国際的な基準つくりが試みられたが、不調に終わり、引き続き検討が進められている。
米国関税局が2002年1月に発表し、推進しようとしている米国向け海上輸送コンテナのセキュリティ強化イニシアチブ。米国向けコンテナ積出しの多い世界20ヶ所の港を対象に実施。米国向けコンテナの積出しの段階からX線などでのセキュリティ・チェックによりハイリスク・コンテナを事前にスクリーンし、スマート・コンテナを使用することでコンテナの位置や状態が確認できるようにする。また、船積みの24時間前までに船荷目録を米国税関に電子的に送付することを要求している。日本では、東京、横浜、神戸の各港が対象。
高級実務者会合(SOM)の傘下にあるAPECの主要な常設機関であり、貿易投資の自由化・円滑化の推進作業を担っている。1993年11月に創設された。CTIは14の特定分野(関税障壁、非関税障壁、サービス貿易、知的所有権、競争政策、紛争解決手段など)におけるビジネス活動の阻害要因を取り除くべく作業をおこなっている。CTIはまた、通商政策に関するフォーラムも提供している。
米国関税局が推進している官民共同によるサプライ・チェーンのセキュリティ強化を図るイニシアティブ。米国関税局が示すガイドラインに沿い、輸入者、通関ブローカー、倉庫会社、船会社、製造業者がセキュリティ強化のためのコンプライアンス・プログラムの遵守を誓約することで参加が認められる。輸入者がローリスク企業と認定されれば、通関手続における検査回数が少なくなるなどのメリットがあると言われている。
2001年11月にドーハ(カタール)で開催された第4回WTO閣僚会議において、新ラウンドの開始が合意された。閣僚会議宣言は、合意済み事項の実施に関する事項を含む各種項目とその他の作業に関する交渉に対して命令している。交渉は2000年前期に開始される農業やサービスといった分野を含んでいる。追加された一連の事項には、たとえば、非農産品の市場アクセス、知的財産権、貿易投資、アンチ・ダンピング、補助金、地域貿易協定、紛争解決、貿易と環境、電子商取引がある。宣言は、2005年1月1日を、2つを除く全ての交渉の終了期限として定めている。
2000年のブルネイ首脳会議において、APECの首脳がデジタル社会を構築する強い決意を示すため、ニュー・エコノミーに関する行動指針を発表した。それに従いe-APECタスク・フォースが結成され、APEC域内で行われていたそれまでの努力に加え、さらに必用な政策、新しい目標、およびそれに向けた活動を規定する戦略として採択された。これは(1)市場構造と制度を強化する環境の構築、(2)インフラ投資と技術開発のための環境整備、および(3)人材能力構築強化と企業経営力の増進の3本柱からなっている。
アメリカを軸に展開されている近年の世界的なIT革命に、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国が共同して対応しようと1999年11月のハノイ首脳会議を期に設置したe-ASEAN(電子ASEAN)特別委員会を通じて推進している。ASEAN5億人市場を、情報分野共同市場に発展させるのが目的。
APECの第三の柱である経済技術協力(貿易投資の自由化と円滑化(TILF)が第一、第二の柱である)はAPECという組織の様々な能力構築活動(Capacity Building Activities)を カバーしている。これらの能力構築活動は加盟国・地域が、特に途上国が、自由化のもたらす利益を享受する能力を高め、多様性に富んだAPEC地域における格差を縮小することを目的としている。APEC閣僚は経済・技術協力は次の6つの分野に焦点をあてるよう指示している;
(1)人材育成、(2)安定した資本市場の構築、(3)経済的インフラストラクチャーの構築、(4)未来技術の育成、(5)環境に影響を与えない成長の促進、(6)中小企業の強化。
経済・技術協力の各国・地域別の年度別活動計画をいい、ウェブサイトで公開されている。
2000年、ブルネイでのAPEC閣僚会議においてIAP(個別行動計画)のメカニズムを電子媒体化することで透明性・具体性・包括性を高め便宜性およびアクセスを改善するe-IAPイニシアティブが支持された。電子化とあわせ、各国ばらばらであったIAPの報告様式を統一化・明確化することにより、自由化・円滑化・規制緩和のプロセスを速め、かつ予測可能なものとすることが期待されている。2001年提出のIAPからすべての加盟国・地域がe-IAPのフォーマットを採用することになった。
e-Learningの定義はさまざまであり、狭義にはインターネットをベースしたWBT(Web Based Training)そのものを指す場合もあるが、一般には技術の種類にかかわらず情報技術(IT)を利用した教育研修システムを幅広くe-Learningと呼んでいる。集合研修などと異なり、自分のパソコンを使用してインターネット等を通じて、いつでも、どこでも、自分のペースで学習することができる点に特徴がある。
97年のバンクーヴァー会合において、APEC首脳は、次の15の分野についてボゴール目標で合意されたスケジュールを前倒しして自由化をおこなうことを合意した。
(1)環境関連の製品およびサービス、(2)水産物および水産加工品、(3)玩具、(4)林産物、(5)宝石および貴金属、(6)化学品、(7)エネルギー部門、(8)医療機器および医療用具、(9)電気通信端末機器のMRA、(10)油糧種子および油糧種子製品、(11)食品部門、(12)天然ゴムおよび合成ゴム、(13)肥料、(14)自動車、(15)民間航空機。
1998年に最初の9分野の関税の問題について−実際には電気通信端末機器はMRAであり、関税の問題はないため8分野−は強制力を伴った交渉をおこなうため、WTOに議論の場を移すことになった。WTOへのシフトされた部分はEVSLからATLという名称に変更された。1999年6月のオークランドでの貿易担当大臣会合ではWTOに対して11月のWTO交渉において、残りの6分野におけるAPECにおける自由化作業を考慮するよう促すことが決議された。
IMFと世銀が加盟国の金融システム評価を強化するために、共同で行っている金融部門の評価プログラム。このプログラムを通じ、加盟各国の金融システムのどこに潜在的脆弱性があるか特定する。
1999年2月、G7蔵相会合により設立された。G7並びにオーストラリア、香港、オランダ、シンガポールの11カ国、および国際通貨基金(IMF)、世界銀行、国際決済銀行(BIS)、経済協力開発機構(OECD)等の国際機関により構成される。(1)金融安定に責任を有する上記金融当局、国際機関の情報交換を促進すること、(2)金融市場の監督・サーベイランスに関する国際協力を強化することにより国際金融の一層の安定をはかることを目的としている。
1999年1月に発足し、電子商取引について民間が世界的規模で討議を行い、その結果を提言として纏めて各国政府・国際機関に提出し、提言内容の実現にむけて官民対話を行うことを目的とする。メンバーの殆どは電子商取引を推進する、世界的企業のCEOにより構成されている。
1995年7月に設立された、民間企業を中心とする独立した非政府系の国際組織。民間セクターのリーダーシップと官民の協力体制を促進し、情報ネットワークのサービスの充実を図ることを目的とする。メンバーは、先進国及び開発途上国の各業界のリーダーから選出される。
上記のCAP(集団的行動計画)と対をなすもので、1996年にAPECのマニラ行動計画(MAPA)の一部として採択された。IAPは、各AEPC加盟国・地域が個別に貿易と投資の自由化・円滑化の推進のためになすべき各国の行動計画、道標を示したもので、14の分野が対象になっている。ボゴール目標に向かって、各国が自主的にこれらの分野における各種の貿易投資の障害を削減せしめることがAPECの中心的なメカニズムである。
現在、対象は、(1)関税(Tariffs)、(2)非関税措置(Non-tariff Measures)、(3)サービス(Services)、(4)投資(Investment)、(5)基準及び適合性(Standards & Conformance)、(6)税関手続(Customs Procedures)、(7)知的所有権(Intellectual Property Rights)、(8)競争政策(Competition Policy)、(9)政府調達(Government Procurement)、(10)規制緩和(Deregulation/Regulatory Review)、(11)WTOの実施(Implementation of WTO Obligations)、(12)紛争仲介(Dispute Mediation)、(13)ビジネス関係者の移動(Mobility of Business People)、(14)情報収集及び分析(Information Gathering and Analysis)の14分野となっている。
これら14分野の他、近年、ペーパーレス貿易のIAP、貿易円滑化のIAP、食料システムのIAPが作成されている。
国際民間航空条約(通称シカゴ条約:加盟国187カ国)に基づき設立された国連の専門機関の一つで、本部はカナダ・モントリオール市。国際民間航空の安全かつ秩序ある発展を目的に設立されており、その活動も国際航空の安全確保、保安対策強化、環境保全対策のほか、事故の際の旅客や地上の第三者に対する賠償責任のような国際民間航空の法的枠組の確立、国際航空運送にかかわる経済的側面に関するガイドライン作り、各締約国の民間航空安全監視体制に対する監査事業、技術協力など多岐にわたっている。
2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロ事件は、民間航空機をテロの手段として使用し乗員・乗客を巻き添えにしたという点で、世界の航空界や利用者に与えた衝撃は計り知れない。事件直後の9月から10月に開催された第33回総会においては、航空保安強化のための各決議をはじめ、ICAO主導のもとで、様々な対策が検討され、各国の同意を得て次々と実行に移されている。
電気/電子分野に関する国際規格の統一を目的として設立された標準化団体。1987年よりISO(国際標準化機構)の電気通信部門(ISO/IEC)となり、同一組織として活動している。
海外投資に関連するAPEC各国実務者の集まりとして1994年に貿易・投資委員会(Committee on Trade and Investment; CTI)のサブグループとして創設された。貿易・投資のうち投資にかかわる自由化・円滑化に焦点を絞り、活動をおこなっている。毎年シンポジウムやサーベイを通じてビジネス・民間部門からの意見を取り入れている。
半導体やコンピュータなど情報関連製品の関税を2000年までに撤廃する国際協定。1996年4月の神戸で開かれた4極通商会議で、日本にも交渉参加が呼びかけられ1996年12月にシンガポールで開催されたWTO閣僚会議において東南アジアを含む28カ国/地域による合意が成立した。
MAPAは1996年11月に開催されたAPEC首脳会議において採択されたが、その柱は、ボゴール宣言の目標を達成するためのCAP/IAP(上述)である。
1997年11月にフィリピンのマニラで、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリッピン、シンガポール、タイ、米国の14カ国と、ADB(Asian Development Bank/アジア開発銀行)、BIS(Bank for International Settlements)、世界銀行(World Bank/IBRD/International Bank for Reconstruction and Development)、IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)が参加して開催した「アジア地域蔵相・中央銀行総裁代理会合」で合意された、アジアの経済危機に対処するための「金融・通貨の安定に向けたアジア地域協力強化のための新フレームワーク」の名称。
貧困層や低所得層を対象に小口金融を専門に扱う金融機関。バングラデシュのグラミン銀行は有名。世界中にある1万を超えるMFIsのうち、自助で運営できる(self-sustainable)MFIsの数は限られていると言われている。2002年のABAC提言では、貧困の削減や貧困層の人達に経済活動の参加を促進するプログラムを通じて、発展の共有に実際的な効果を持たせることが重要との観点から、MFIsの「最良な慣行」を助長する能力構築やMFIsの信用能力や得意分野を反映した格付システムの確立、MFIs向け貸出に保証を供与するIFCのメカニズムの利用、市中銀行の特別な資本引当率の適用への配慮等を提言している。
貿易の対象となる商品・サービスには、それぞれの規格があるが、その規格が各国によって決められることで貿易の流れが阻害される。相互認証協定MRAによって、各国がお互いの規格スタンダードの妥当性を認め合うことで輸入に際しての製品検査の重複によるビジネスコストを削減することができる。
APECの運輸担当大臣は1997年、自動車に関するモデルMRAを承認した。APECの通信担当大臣は1998年、通信機器の適合性評価に関するMRAを支持した。基準適合性小委員会では先進国で2004年・後進国で2008年まで具体化を念頭に、安全性と電磁妨害規制に関する標準化の作業を進めている。HRD(人材育成)ワーキンググループでは技能資格の相互認証を円滑化するため、職業サービスの地域ディレクトリを作成する作業にとりかかった。
非関税措置(NTMs)は貿易を阻害する関税以外のバリアや禁止事項のことである。NTMsは輸入ライセンスや割り当てを含む。通常、産業保護の目的で適用される。
大阪行動指針は、自由で開かれた貿易投資というボゴール目標を達成するための指針であり、(1)貿易投資の自由化、(2)貿易投資の円滑化、(3)経済技術協力の3本柱からなっている。APEC参加各国・地域には、自由化・円滑化達成に向けた以下の一般原則が適用される。すなわち、(1)包括性、(2)WTO整合性、(3)同等性、(4)無差別、(5)透明性、(6)スタンドスティル、(7)同時開始、継続的過程及び異なるタイムテーブル、(8)柔軟性、(9)協力、(10)有用性、漸進性、有効性、である。
貿易投資の自由化・円滑化は、個別ならびに共同行動、及び以下の分野を含む多国間フォーラムに関する行動によって推し進められる。サービス、投資、基準認証、税関手続、知的財産権、競争政策、政府調達、規制緩和/規制の見直し及び改革、WTO義務の履行(原産地規則を含む)、紛争仲介、ビジネス関係者の移動、情報収集・分析、市場機能の強化。
経済技術協力がカバーする具体的分野としては、農業技術協力、エネルギー、漁業、人材養成、産業技術、インフラストラクチャー、海洋資源保全、中小企業、電気通信、観光、貿易促進、運輸が挙げられる。
2001年10月の上海でのAPEC首脳会議で合意され、上海アコードに明記された協力実施の枠組み。APECで合意されたイニシアチブについて、ボゴール目標に整合的に、準備の整った国・地域から順次、協力活動を開始し、実施することを内容とする。具体例としてAPECビジネス・トラベル・カードがある。
1967年に設立された太平洋地域における実業人で構成される純民間国際組織。メンバーである20カ国・地域の実業界相互の協力を促進することにより、各国間の経済関係を強化し、地域全体の経済的・社会的発展に寄与することを目的としている。具体的には、(1)太平洋地域及びその他の諸国の実業人の意見交換のための国際的な場の提供と (2)太平洋地域の基本的な経済問題等に関して各国政府及び国際諸機関に対する勧告・助言等を行っている。
PECCは1980年に組織され、官、学、財、三者(政府関係者は個人として参加)の代表が、アジア太平洋の経済協力に貢献するために集まった。APECが1989年に創設され、発展、拡大するにあわせて、PECCはAPECの公式オブザーバー(South Pacific Forum/ASEANと共に)の立場を維持し、通商交渉の当事者の外郭団体として、ビジネスと研究機関分野の国際ネットワークを育成し、APECを取巻く諸条件の分析と政策提言をおこなう独立した機関としての役割を果たしてきた。現在、25カ国・地域がメンバーである。PECCはまた、Pacific Economic Outlookのような一般向けの、地域のトレンドの広汎な概観レポートを出したり、分野別の概観や分析を提供している。
輸出要求、技術移転要求、現地採用要求、教育訓練要求、国内販売要求、使用部品の製造要求などの措置。パフォーマンス要求は、貿易に対し制限的、阻害的な影響をもたらすとともに、投資家の事業活動上の自由を拘束し、効率的な事業展開や経済環境の変化に即応した柔軟な対応を困難にする可能性がある。
経済政策立案の改善と国際金融システムの強化のため、IMFと世銀は国際的に認知されている基準の採用、良い慣行に関するコードを制定している。ROSCsはこの国際基準遵守・改善を目的とした各国の遵守状況についての報告であり、IMFと世銀の「金融セクター評価プログラム(Financial Sector Assessment Program (FSAPの項参照))」の一貫として行われている。
そもそも Custom Procedure Group of Customs Experts(関税専門家による関税手続きグループ)は1995年、CTIの正式傘下組織として小委員会として組織された。その目的は関税手続きの簡素化、整合化により、アジア太平洋地域の貿易を円滑化することにある。
SCSCはAPECの標準と適合性のフレームワークに関する宣言により、創設された。SCSCの主な目的は、加盟国の標準を国際標準と整合させること、規制された分野および自発的な分野における適合性評価についてAPECエコノミー間の相互認証を達成すること、規制された分野および自発的な分野における相互認証のアレンジに広汎な参加を促すべく技術インフラストラクチャー開発での協力を促進すること、APECエコノミーの標準と適合性評価の透明を保証すること。
2001年10月に上海で開催されたAPEC首脳会議において、首脳宣言の付属書として採択された文書で、2002年以降のAPECの将来の道筋を示したもの。APECビジョンの拡大、ボゴール目標への道筋の明確化、APEC内部の実施メカニズムの強化を掲げている。主要な項目としては、世界経済の根本的変化を反映させるための大阪行動指針の拡充(例:e-APEC戦略実施による市場機能の強化)、APECの取組みを促進させるためのパスファインダー・アプローチ適用、ニュー・エコノミーに適した政策の導入促進、2006年までに取引コストを5%削減させる貿易円滑化原則のフォローアップ、透明性原則の導入、そしてIAPピア・レビュー・プロセスの強化、が挙げられる。
中小企業はAPEC地域の企業の90%以上を占め、GDPに対して30-60%貢献し、輸出の約35%をカバーしている。中小企業はまた、雇用の創出にも重要な役割を果たし、個々のAPECエコノミーの雇用のうち32-84%をカバーしている。このようなアジア太平洋地域の中小企業群の重要性に鑑み、APECはSMEs向けに様々なプログラムを企画遂行している。
高級実務者会合は1年をとおして定期的に開催される。APECの高級実務者は閣僚に対して提言をおこない、その決定事項を実行する。高級実務者は、閣僚の承認を得てAPECの各種会合の予算と業務計画を監督し、コーディネートする。
貨物、国際航海就航船、国際航空及び人の移動を保護する措置を通じて、モノ及び人の移動をより安全かつ効率的に行うことを目的とした、具体的行動及び明確な実施期限から成る取組み。
透明性基準に関する声明においては、OAA第1部C節の規定事項(※)についての一般的な適用に関する法令、規則、手続および行政決定について、各種の手段により公表し、関心ある人や他エコノミーが知ることができるように要請している。また、同時に、諸APEC文書中の個別の透明性条項(政府調達における非拘束原則、競争・規制改革、貿易円滑化、etc.)の実施を求めている。これらの透明性基準は2005年1月までの可能な限り早期に実施されなければならない。
(※)OAA第1部C節とは、関税、非関税措置、サービス、投資、基準・適合性、税関手続、知的所有権、競争政策、政府調達、規制緩和、WTO義務の履行、紛争解決、ビジネス関係者の移動、情報収集・分析、という貿易・投資の自由化・円滑化関連分野についてのもの。
APECの関税データベースを使えば、APEC加盟国・地域の関税に関する情報収集を容易に行うことができる。関税表、特例、禁止事項をはじめとして、数多くの情報がインターネットサイト http://www.apectariff.org/ で検索可能である。
2000年のAPECでは、新たな企画としてアジア太平洋地域の産業情報を提供する目的で、BizAPECなるwebsiteを開設し、徐々に中味の充実を図っている。
貿易契約実行段階の電子化プロジェクトで、貿易関係書類を電子データ交換(EDI)によって集中的に登録・保管・処理し、貿易業務の大幅な効率的実行を目指そうとするもので、日本独自の開発により、2001年8月より実用段階に入った。
APECの様々な委員会やワーキンググループの活動は地域の経済成長と協力を促進し、アジア太平洋地域における豊かなコミュニティの建設することを目標としている。この目標は3つの関連した分野における活動をとおして追求される。それは (1)貿易投資の自由化と (2)その円滑化、そして (3)経済技術協力(Ecotech)である。
(1)と(2)をまとめて、TILFと呼称する。
APECの掲げる目標であるボゴール・ゴールに向けて、各国地域は、貿易と投資の自由化(関税のような貿易に対する公式な障壁および外国からの投資への制限の減少、除去)を推進しているが、関税障壁問題が改善されるに伴い、非関税措置が重視されはじめている。
「貿易・投資の自由化」、すなわち貿易障壁を減少させ、国際間の投資を進めることは各国の生産と貿易を拡大し、関連するすべての国の大多数の利益につながることになるとの原則をAPEC加盟国・地域は信じている。
APECの貿易・投資の自由化は自発性をベースに進められる。加盟国・地域は自らの裁量で行動し、その決定は個別行動計画(IAP)の毎年のアップデートのなかに記録される。IAPはAPECの貿易の自由化政策推進の進捗状況を知る指標である。
APECの2つめの柱である「貿易・投資の円滑化」は、この地域におけるビジネスを容易にするため、各エコノミーがとっている多様な方策を含む。例えば、多様なメンバーの通関手続きの簡素化・整合化、工業製品の標準適合検査をおこなう主体の相互認証、知的所有権保護の強化による投資の促進、ビジネス関係者の地域トラベルに関する制約の緩和のようなものも含まれている。ビジネスの円滑化は地域の生産と貿易を拡大し、消費者、労働者、生産者に等しく利益をもたらすことが、いくつかの研究により示されている。
手続きならびに行政上の障害に対して実施される、簡素化、調和、技術の利用、及びその他の措置を一般に指し、モノの移動、ビジネス関係者の移動、基準・適合性、電子商取引の4つを重点分野としている。
WTO協定付属書として1995年1月より発効された知的所有権に関する取り決め。著作権(Copyright)、商標(Trademarks)、意匠(Industrial Design)、地理的表示(Geographical Indications)、特許(Patents)、集積回路の回路配置(Integrated Circuits Layout Designs)、非開示情報(Undisclosed Information)、契約における反競争的行為の規制(Curbing Anti-competitive Licensing Contracts )などをカバーしている。TRIPS協定はWTO加盟国が遵守すべき最低限の保護基準として、先進国では1996年1月まで、発展途上国および一定の条件を満たす移行経済国では2000年1月までにそれぞれの国内法に反映されている。なお、後発の開発途上国は2006年1月までの移行措置が認められている。
国際商取引法のハーモナイゼーションと統合を促進するため1966年に創設された国連の委員会。世界の多様な地域、経済・法制度を代表するべく、国連総会で選出された36ヵ国代表により構成される(2001年6月現在)。1996年に電子商取引に関わるモデル "UNCITRAL Model Law on Electronic Commerce" を採択している。
Unidroitは1926年、私法のハーモナイゼーションを目的として国際連盟の付属機関として設立され、現在は59ヵ国の政府が参加する独立組織である。
1988年、カナダ政府の提案により、Unidroit は "Convention on International Interests in Mobile Equipment" を提唱した。金額の大きな多国間の輸送機器(航空機など)にかかわるファイナンスの公平的取扱い(特にリースにおける貸し手の保護)を行うことにより、金融リスクの軽減、資金調達コストの引き下げが可能となり、輸送機器・輸送サービスの効率性が高められるとされる。
著作権や特許、商標などにかかわる権利である「知的財産権」を国際的に管理・運営するため1970年に設立された国連の専門機関。知的財産権の保護を世界的に促進するため、国際条約締結の推進、政府・組織・民間セクターの支援、法律・規則のハーモナイゼーションと簡素化の促進などを主な活動内容としている。最近は特に、IT分野における知的財産権保護に取り組んでいる。加盟国は2002年9月現在で、179ヵ国となっている。
世界知的財産機関(WIPO:上記)の「実演・レコード条約(WPPT)」及び「著作権条約(WCT)」を指す。WPPTは1996年に採択された条約で、インターネット上の歌手、音楽家、俳優、その他の実演家の権利保護を目的としている。WPPTの発効は2002年5月20日。インターネット上の著作者の権利を保護するWCTは2002年3月6日に発効した。
ウルフズバーグ原則は、主要な国際的銀行のグループであるウルフズバーグ・グループとTransparency International(反汚職NGO)、および専門家らにより合意されたグローバルな反マネーロンダリング指針を指す。ウルフズバーグ・グループに参加している銀行は、ABN-AMRO銀行、東京三菱銀行、バークレイズ銀行、シティグループ、クレディ・スイス・グループ、ドイツ銀行AG、ゴールドマン・サックス、 J.P. モルガン銀行、Santander Central Hispano、およびUBS-AGである。