8月26日/ソムキット副首相兼蔵相一行との朝食懇談会(司会 安居祥策 日タイ貿易経済委員長)
さる8月26日、来日中のソムキット副首相兼蔵相、スリヤ工業相、タノン通商代表をはじめ、タイの経済担当閣僚との朝食懇談会を開催した。ソムキット副首相からは、タイ経済やタクシン政権が実施している改革の現状等について紹介があった。
タイ経済は2002年第1四半期、3.9%の成長を遂げた。通年では3.5〜4%の成長を見込んでおり、2001年の1.8%を上回る。国内消費が伸びており、製造部門も成長している。不良債権比率は、TAMC(国営資産管理会社)を設立して各銀行の不良債権を移した結果、10%以下になった。また輸出は、2002年4月以降大きく伸びている。経常収支は黒字になり、外貨準備高は現在およそ380億ドルである。このようにタイ経済は現在、安定的かつ安心できる状況にあるが、タクシン首相はこれに決して満足していない。
タクシン政権の政策の主眼は、政府の役割を小さくして民間部門の役割を大きくし、経済の主役を民間に担ってもらうことにある。そのため、行政改革や税制改革などの各種改革を実施している。新年度が始まる10月1日をもって省庁が再編される。各省庁における業務の改善も必要だ。タイにおいて効率よく迅速にビジネスが行えるよう、必要な改革を行う。公社・国有企業の民営化も進めている。
タイはASEANとの友好関係を重視してきた。AFTA(アセアン自由貿易地域)やACD(アジア協力対話)での協力を通じて、タイがASEANの中心的存在になるよう努めたい。