9月12日/住宅政策委員会(委員長 和田紀夫氏)
住宅建設は経済全般に大きな波及効果を有しており、経済活性化の切り札として期待されるとともに、豊かな国民生活の実現の観点からも住環境の整備がきわめて重要である。そこで、本年度新たに発足した住宅政策委員会では、9月12日に、国土交通省の松野仁住宅局長を招き、わが国における住宅政策の課題等について説明を受けるとともに、意見交換を行った。
1968年以降、住宅総数は世帯数を上回り、住宅の絶対的不足は解消しているものの、今後は住宅の質の向上が課題である。人口は2006年、世帯数は2014年をピークに減少に転ずる一方、高齢者数は増加の一途をたどっている。世帯類型別に持家住宅の面積をみると、65歳以上の単身および夫婦の50%が100m2以上の広い住宅に住む一方で、4人以上家族の31%が100m2未満の住宅に住むなど、住宅と世帯のミスマッチが生じている。
また、わが国の住宅総数の約半数は、1981年の新耐震基準施行以前に建てられたものであり、老朽化が進んでいる。さらに、バリアフリー度も低く、2ヵ所以上の手すり、段差のない階段、車椅子の通れる廊下等を揃えた住宅は、住宅総数の2.7%しかない。
一方、わが国の住宅市場は、中古住宅販売件数、住宅投資に対する増改築の占める割合とも、欧米諸国に比べ非常に少なく、わが国の住宅市場は新築住宅に偏っている。
昨年末閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、都市基盤整備公団は廃止され、新たな独立行政法人に生まれ変わることとなった。公団事業については、
住宅関連税制については、住宅政策の一環として、財政、金融上の措置と並んで、住宅取得能力の向上、良質な住宅建設の促進等により、居住水準の向上を図ること等を目的として、取得、譲渡、保有などの場面に応じ、国税及び地方税の税目ごとに種々の軽減措置が講じられている。さらに、平成14年度の税制改正においては、マンション建替事業に係る特例措置の創設や住宅の耐震改修工事に係る特例措置の創設等の措置が講じられた。
平成15年度の住宅局税制改正要望は、
遊休化しているオフィスビル等の都心賃貸住宅等への再生の推進に向けて、
住宅市場整備行動計画(アクションプログラム)の狙いは、住宅市場全体を動かしていくために、消費者が新築だけでなく既存住宅も含めて、安心して売買できる市場を作ることである。そこで、本年8月より、中古住宅についても住宅性能表示制度の対象に追加した。今後は、マンションの維持管理履歴情報の登録制度や価格査定システムについて整備していく必要がある。さらに、住宅リフォームの標準契約書や事業者情報提供システム、中古住宅の成約価格情報等の整備についても進めているところである。
また、新築住宅に係る瑕疵担保責任は全ての住宅に義務付けており、最低10年間基本構造の部分について瑕疵担保責任を負うこととしている。