経済くりっぷ No.20 (2003年5月13日)

3月18日/日本経団連宇宙開発利用推進会議提言

「独立行政法人『宇宙航空研究開発機構』発足に向けた緊急提言」を取りまとめ


わが国の宇宙開発の中核を担ってきた、宇宙開発事業団(NASDA)ほか宇宙関連3機関が本年秋に統合し、新たに独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」(以下、「新機関」)が発足する。宇宙開発利用推進会議では、新機関の今後の具体的計画の検討に際し、産業界の意見を反映させるよう、3月18日に標記緊急提言を取りまとめた。以下はその概要である。


独立行政法人「宇宙航空研究開発機構」
発足に向けた緊急提言(概要)

日本経団連宇宙開発利用推進会議

1.新機関の中期目標・計画への反映

新機関では、文部科学省が設定する「中期目標」に基づいて、「中期計画」を作成することとされている。
現在検討中の計画には、昨年6月の総合科学技術会議報告書「今後の宇宙開発利用に関する取組みの基本について」や昨年3月の文部科学省「宇宙3機関統合準備会議報告書」等で示された、宇宙開発利用の産業化促進、産業界との連携強化の理念を十分に反映し、必要な施策、組織・人員・予算等の整備が強く望まれる。

2.新機関における産業化に資する業務の強化

新機関では、宇宙開発に関して、宇宙科学の研究と産業化に係る業務の2つの大きな役割を担うことになる。特に産業化に係る業務は、科学技術創造立国を目指すわが国にとって最重要課題の一つであり、新機関で重点的に取り組むべきである。
宇宙科学の研究と産業化に資する業務は、企画から実行、評価に至る各プロセスの性格が大きく異なることから、計画においても、両者を明確に区分しつつ検討を進めるべきである。

3.産業連携・産業化に資する業務を担う組織強化

産業界との連携・協力、産業化に係る業務を具体的に推進する組織として、新機関では「産学官連携部(仮称)」の設置が予定されている。産業化に関連する業務は、ここに全面的に権限を付与し、一元的に総合司令塔的立場で経営できる体制とすべきである。
加えて、新機関が産業化に関連する業務を進めるにあたり、文部科学省のみならず、経済産業省、総務省、国土交通省等の関係省庁や利用省庁、公的研究機関が緊密に連携していくことが重要であり、そのための体制構築が必要である。

以 上

《担当:環境・技術本部》

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