経済くりっぷ No.28 (2003年9月23日)

奥田会長の発言から


9月1日(月) スノー米国財務長官との懇談より

日本経済に明るい光が見えてきました

「日本経済は生産が持ち直し、企業収益も急速に回復してきています。今年3月の決算も前年比で70%くらい改善し、設備投資も増加基調にあります。何よりも心強いことは、ここにきて株価が大きく上向いていることです。その理由は、金融面での不安感が払拭され、それによって今まで預金や国債に流れていた資金が株式市場に流れ込んでいるからです。株価が上がれば、銀行に対する不安も払拭され、株価の回復が続けば日本経済も良くなっていくと思います。
ただ、日本の景気は東京から名古屋ぐらいまでは良くなっていますが、九州や北海道など地方では倒産件数も多く、経済の実態はまだまだ悪く、全部が底上げした訳ではありません。
今後の日本経済の成長率については、3〜4%という数字は期待できず、ここ2〜3年は1〜2%の成長になるでしょう。もちろん、日本経済は外需、特に対米輸出に頼っており、米国の景気が大幅に良くなり対米輸出が増えることは日本経済にとって望ましいことです。」


9月4日(木) 第51回北海道経済懇談会より

観光立国にはハード、ソフト両面の整備を

「北海道の経済界から、閉塞感よりも、問題に対して動き出そうというポジティブな動きが出ていることを心強く感じました。北海道大学を中心とした産学官連携も成果が出始めており、また、サハリンをはじめロシア経済の発展も良い影響を及ぼすと考えられ、10年、20年先には、北海道には洋々たる将来が広がっていると思います。
北海道の重要な産業である観光に関しては、観光立国は日本の成長の大きな柱であり、小泉首相も観光立国懇談会を設け取り組んでいます。日本にはスポット的にすばらしい観光地がありますが、それらを繋ぐ道路、新幹線などの鉄道、空港等のハード、そしてビザの発給や通関等のソフトのインフラを整備しないと、人は来てくれません。
東南アジアの人に“北海道のスキーリゾート”について聞くと、成田空港から羽田空港への乗り換えに電車で1時間かかり、欧米に行く方が便利だとよく言われます。ハード面の社会資本整備を特に強化しないと、観光立国は成功しないと思います。」


くりっぷ No.28 目次日本語のホームページ