奥田会長の発言から


2月2日(月) 通信社インタビューより
次世代の成長のカギは従業員の多様性

「高度成長の時代は、一つの目的に向かって一心不乱に働く従業員が重宝がられました。私がいま中国で企業経営するなら、その時と同じやり方で人材を求めます。しかし、日本は高度成長を達成し、『坂の上の雲』まで行き着きました。すると、これからどうすれば良いのか、ということになります。要求する人材も当然、多様性が求められますし、その中に次の成長のカギがあります。
また、私はよく証券アナリストたちから『株主を最優先しないのはおかしい』と批判されます。しかし、日本企業は長期間にわたり、従業員や株主に安定雇用、配当の形で成果を配分してきました。長続きするのは日本的経営です。ある時は辛いかもしれませんが、長く従業員を雇った方が技術も伸び、会社に対する忠誠心も生まれます。」


2月9日(月) 定例記者会見より
発明報酬は事前に社員と合意を

「(東京地裁が日亜化学工業に対し、青色発光ダイオードの発明者に200億円の支払いを命じた判決については)直感的に言って、同社の事業規模に比べて金額が大きすぎると感じます。この問題を教訓として、今後、企業側としては、雇用契約や就業規則に発明の対価に関する事項を明記して、事前に従業員との間で合意しておくべきだと思います。
今回の判決は、それがなかったための結果ではないかと思います。これまで日本企業は、特許権など知的財産権の問題について、おざなりにしてきた面があります。特に従業員との間で、この問題をどう扱うかをはっきりさせておかなければ、後で大変なことになるということが、今回のことでわかったのではないでしょうか。」


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