第13回日タイ合同貿易経済委員会/7月11日〜12日(於 札幌)

日タイ経済関係の一層の発展とアジア太平洋地域における日タイ協力の促進につき議論


日タイ貿易経済委員会(委員長 瀬谷博道氏)では、第13回日タイ合同貿易経済委員会を開催した。同合同委員会では、日タイ両国の政治・経済情勢や貿易、投資、産業技術協力に関する問題、さらにAPECをはじめとするアジア・太平洋地域での日タイ協力等のテーマについて、タイ側カウンターパートであるタイ商業・工業・金融合同常任委員会(タイ貿易院、タイ工業連盟、タイ銀行家協会の3団体により構成)との間で率直な意見交換を行なった。以下は、閉会式において採択された今次会議のサマリーの全文である。

 瀬谷委員長(左)とポティポン団長

第13回日タイ合同貿易経済委員会
サマリー(英文正文)

1995年7月12日
於 札幌

  1. 第13回日タイ合同貿易経済委員会は、1995年7月11日と12日の両日、北海道札幌市において開催された。日本側からは瀬谷博道日タイ貿易経済委員長以下51名が、タイ側からはポティポン・ラムサム タイ貿易院会長以下32名が参加した。

  2. 参加者は、日タイ両国の経済情勢と今後の展望や両国間の貿易、産業・技術協力、およびアジア太平洋地域における協力に関して、活発に意見交換を行った。

  3. 日本経済の現状については、為替変動や経済システムの制度疲労、金融システムの構造的問題等を反映して、低成長のもとで構造変化が進みつつあるとの報告が日本側からあった。
    他方、タイ側は、タイの総合収支は過去5年にわたり黒字が続いていると報告するとともに、今後中国南部やミャンマーを含めたいわゆるインドシナ地域とASEANとの経済の一体化が進むことによって、タイおよび東南アジア地域の経済発展は新たな段階に入るとの見通しを示した。また、タイの金融部門は、チュアン政権が先ごろ発表した金融システム開発計画により、国際競争力を増すであろうと表明した。

  4. 1993年〜1994年の日タイ貿易状況について、タイの対日貿易赤字が引き続き大幅となるのは避けられそうにないとのタイ日貿易開発部会の報告があった。タイ側は日本に対して是正のために具体策をとるよう要請した。タイ側は、タイの貿易構造が一朝一夕には変わらないことを認めるとともに、日本側に対し、マーケティング面での協力をはじめ、技術協力を通じてタイ製品の品質を高め、また市場開放によりタイ製品を受け入れるよう求めた。タイ側は、日本がタイから農産品、とりわけコメや豚肉、鶏肉の輸入を促進するよう、二国間協力の必要性を強調した。
    日本側は、タイ側の要望を日本政府に伝えること、また日本にとっても輸入拡大に資する規制緩和は最重要の課題であり、タイの対日輸出の促進のためにできる限りの協力を行うことを約した。

  5. 1992年5月の第11回日タイ合同貿易経済委員会を契機に設置された日タイ食品加工部会について、同部会の活動は、日本政府の求める諸条件や日本市場の需要に関するタイの食品メーカーの知識を広め、理解を深めるのに役立っているとの報告があった。この点に関して、この種の協力を他分野、すなわち電機・電子部品産業にも拡大することが合意された。

  6. 日タイの民間経済界による協力事業の好例として、タマサート大学インターナショナル・インスティチュート・オブ・テクノロジー(IIT)の進捗状況についても報告があった。これは盤国日本人商工会議所における人材開発部会の設置を検討する際にもモデルとなるものである。タイ側は、日タイ双方にとって利益となるタイ産業の育成強化のために、人材開発に関する新しいプログラムを日タイ共同で作成することは時宜を得たものであるとしている。

  7. 95年4月のアセアン経済閣僚会議でASEAN域内の自動車部品相互補完スキームの段階的廃止とCEPTスキームへの移行が決定されたが、これに関して日本側から、スムーズな移行を望むとの発言があった。タイ側は日本側の立場を理解し、タイ側としてもできる限りの協力をすると発言した。

  8. メコン河流域の開発問題に関し$タイ側は、通信・エネルギー・人材開発・運輸など様々なプロジェクトに対し、日本側からも協力を得たいとの意向を表明した。これに対し、日本側はできうる限りの協力を行うと答えた。

  9. 日本側より、10月に経団連はじめ主要経済団体が大阪で開催する「APECビジネス・コングレス:APB-NetII」へのタイ側の協力を求め、タイ側は、この意義ある会合への全面的な支持を表明した。

  10. 双方は、第14回日タイ合同貿易経済委員会を双方の都合の良い時期にタイで開催することに合意した。

実質経済成長率等の表


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