経団連くりっぷ No.40 (1996年 9月26日)

経済4団体主催 クラウス・チェコ共和国首相歓迎昼食会/9月6日

チェコと日本の経済的パートナーシップの強化を期待


経団連は、日本商工会議所、ロシア東欧貿易会、日本チェコ経済委員会と共催で、チェコ共和国バーツラフ・クラウス首相歓迎昼食会を開催した。
以下はクラウス首相の挨拶要旨である。

クラウス首相

  1. チェコ共和国は、ここ数年で、大きく変容してきた。これは1989年の「ビロード革命」に端を発している。チェコ国民が一丸となって、40年余の長きにわたる全体主義体制に起因する問題の解決に力を注いできた。その結果、自由な社会、民主的多元国家の確立、市場経済の導入等を、少しずつ実現してきた。

  2. チェコ経済は急速な成長を遂げている。昨年はGDP 4.8%の成長を達成することができ、今年、さらには来年と、加速的に伸びていくものと確信している。また、国内外の債務も比較的低水準に落ちついている。失業率は3%である。チェコは、1930年代に享受した国際社会での先進国としての地位に、徐々に復帰できるものと確信している。

  3. 私どもは、ヨーロッパのみに最優先順位を置いている訳ではない。他の地域の国々との関係を改善、拡大していきたいと考えている。アジア、とりわけ日本はわが国にとり、最も大切な国のひとつであるので、政治、経済、文化に、両国間の絆を一層深めていきたい。

  4. この数年間、多くの投資家の熱い視線がチェコに向けられている。主として欧米諸国からであるが、一部アジア諸国の投資家の関心もみられる。チェコとしては、日本の投資家が、これまで以上の役割を果たされることを願っている。現在の日本の対チェコ投資等は両国間にとって、相応しいものとは思えない。私の今回の来日を契機に、両国間の経済的なパートナーシップが一層強化されることを願っている。


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