今後の日米協力を考える部会(部会長 上原 隆氏)/10月15日
[私見]
来る選挙でどちらが勝っても、米中間にハイレベルでシステマティックな関係が築かれるだろう。米中首脳の相互訪問が検討されており、関係改善のプロセスは進んでいるが、内容的には難しい面が多い。それは、中国がナショナリスティックなムードにあるためだ。中国は現在移行期にあるため、イデオロギーが不安定になっており、自信が揺るぎ始めている。中国の権力構造の下部層は自由度が高いが、上部層は人権問題等でタフな態度をとり続けるだろう。WTO加盟に関しても、米国に譲歩を求め続けると思われる。
両党とも、対中MFN更新には肯定的であり、今後も中国に対するMFNは継続的に与えられていくだろう。
[私見]
日米の政治・安保関係は今後とも継続的に改善が図られ、緊密度を増していくだろう。
米国は、沖縄の米軍基地の位置づけは再調整するだろうが、在日米軍は米国の前方展開戦略上必要不可欠なため、日本政府との合意の下で、在日米軍そのものは維持するだろう。チャーラマーズ・ジョンソン教授が、米軍の投入(Projection)のために必ずしも前方配備は必要ないと言っている。たとえジョンソン教授の考えが技術的に正しくとも、政治的には米軍のアジアにおけるプレゼンスは引き続き重要である。
[私見]
次の政権も現在の政策を維持し続けるだろう。KEDOの枠組みの中で政策を進めることが、朝鮮半島の安定維持にとって重要である。
[私見]
今年のAPECフィリピン会議では、これまでのプロセスをもっと活性化させることに力を注ぐべきである。政府と民間がより緊密な関係を構築するための舞台はすでに整っているので、今後はこれをうまく動かしていくことが肝要だ。主宰国のフィリピンは、このことをよく認識しているので、大いに期待できると思う。