経団連くりっぷ No.42 (1996年10月24日)

企業人政治フォーラム(会長 川勝堅二氏)/9月26日、27日、10月1日

総選挙に向けて、“政局”や“行革”について聞く


9月27日、臨時国会冒頭、橋本総理は衆議院を解散し、10月20日、小選挙区比例代表並立制の下で初めての総選挙が行なわれた。
企業人政治フォーラムでは、政局動向や、今回の選挙の最大の争点として注目されている行政改革についての講演会を相次いで開催し、より多くの企業人が選挙に関心を持ち、投票に参加するよう働きかけた。

橋本行革ビジョンの実現に向けて
−自民党行革推進本部長 水野清氏−

9月26日、自民党の行政改革推進本部長の水野清氏と事務局次長の塩崎恭久参議院議員より、「橋本行革ビジョンの実現に向けて」と題し、同党の行政改革への取り組みについて説明を受けた。
自民党は、94年に与党に復帰して以降、党内に行政改革推進本部を設置し、行政改革に取り組んできた。本年6月には基本方針となる「橋本行革の基本方向について」を公表し、現在その具体化を図っている。
さらに橋本総理は、中央省庁を4分野・10省庁に再編、さらに政策立案機能と執行機能とを分離する「霞が関改革」構想を提唱し、党の選挙公約にもこれを掲げている。

解散・総選挙をどう見るか
−福岡政行白鴎大学教授−

政局に関しては、9月27日、白鴎大学福岡政行教授を招き「解散・総選挙をどう見るか」と題した講演会を開催した。
福岡教授は、浮動票の分析などをもとに、今次総選挙の行方を予測するとともに、各党幹部の動向や人物評価などから、総選挙後の政界再々編成の可能性について述べ、28日に結党した民主党が総選挙で躍進し、政界再々編の鍵を握る可能性もあるとコメントした。

行革の本丸は郵政事業の民営化
−自民党 小泉純一郎氏−

10月1日、郵政事業の民営化を提唱している自民党の小泉純一郎氏を招き「行政改革をどう進めるか」と題する講演会を開催した。以下は講演の概要である。
今論議されているような大蔵省改革や、1つ2つの特殊法人の民営化では、大した歳出削減効果は期待できず、公務員数も減らせない。郵政事業を民営化すれば、株式売却益などで10兆円以上の収入が見込まれ、財政再建に資する上、公務員の大幅削減も可能になる。また財投を運営資金とする特殊法人の抜本見直しにもつながる。
現在の郵政事業は、国民の税金を使って民間の仕事を奪っている状況であり、「官業は民業の補完に徹する」という原則に立ち返る必要がある。


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