経団連くりっぷ No.44 (1996年11月28日)

所有から利用へ

土地政策の大転換に沿った税制改革、規制合理化を


今般、政府の土地政策審議会は、今後の土地政策のあり方に関する答申をとりまとめた。

この答申の特徴は、土地の資産としての価値を重視する考え方から、土地の資源としての利用価値に着目した考え方に移行し、「所有から利用へ」という理念の実現のため、土地政策の新たな展開を図る必要があるとしたところにある。上図のように、都心部を中心に地価は毎年下落しており、わが国は依然として資産デフレの状況にある。これは91年1月の「総合土地政策推進要綱」による地価抑制策が、バブル崩壊後も引き続き継続されてきたためである。本答申は、こうした地価抑制策一辺倒の政策を改め、土地の適正かつ有効な活用を目指すものである。

そうした考え方からすれば、地価抑制という使命を終えた地価税は当然廃止されるべきであり、また上図のように、地価下落局面でも漸増する固定資産税は早急に見直されなければならない。経団連では、本答申に基づく施策の具体化の過程で土地税制の抜本的見直しや土地に関する規制の合理化を求めていく。

地価動向と土地固定資産税の推移(東京都,非住宅地)


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