経団連くりっぷ No.144 (2001年3月22日)

今井会長の発言から


3月8日(木)
地方交付税の抜本改革など、地方の行財政改革の推進が今後の大きな課題です
−月刊Keidanren5月号特集座談会

「中央省庁の改革が1月6日に行われ、1府22省庁から1府12省庁に再編されました。今後残された最大の課題は、地方の行財政改革の推進です。年末に決定された行革大綱では、3,200の地方自治体を1,000にするという方針がだされていますが、具体的なスケジュールはあまり明確ではありません。まず、市町村合併を積極的に進めて、地方における行財政改革の受け皿づくりをすることが重要です。
地方の抜本的な行財政改革を行うためには、教育、警察、消防などの国と地方の業務分担の見直しが必要です。地方が本来行うべき業務をきちんと定め、地方交付税、補助金、国と地方の税源の見直しをしなくてはなりません。しっかりとした機関が、こうした検討を行う必要があります。
地方の財源不足払いのため、国が地方に交付する地方交付税は、平成13年度予算で17兆円です。さらに、これだけでは補填できずに、交付税特別会計から年間6〜7兆円の借入れを行っており、その残高は38兆円に達しています。国、地方を通じた行財政改革の断行、地方交付税の廃止を含めた抜本的な見直しが必要です。」

3月12日(月)
政府と企業は、痛みを伴っても改革を行うという強いメッセージをだす必要があります
−会長記者会見

「本日、2000年10−12月期のGDP速報が発表され、前期比0.8%増(年率3.2%増)となりました。これによって、本年1−3月期のGDPが万一ゼロ成長であったとしても、2000年度の経済成長率は、政府見通しを上回る1.3%となります。
しかし、GDPの中身をみますと、先行きの不透明感が高まっています。設備投資はかなりの増加となりましたが、先行指標の機械受注が1月は大幅なマイナスになっており、設備投資の伸びが今後、鈍化していくと見られます。また、個人消費は前期比0.6%減となっており、依然として回復していません。GDPがプラス成長なのに、本日も株価の下落が止まらないのは、個人消費のマイナスなどが懸念材料になったからだと思います。
これまで、繰り返し言っている通り、国民の将来不安を払拭し、安心して消費にお金を使うことができるようにしなくてはなりません。そのため、まず、政府は改革のグランド・デザインを策定する必要があります。また、政府と企業はたとえ痛みを伴っても、改革を行うというメッセージをだしていく必要があります。」


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