経団連くりっぷ No.144 (2001年3月22日)

中曽根教育改革国民会議担当補佐官との懇談会(司会 浜田 広 人材育成委員長)/2月21日

教育改革国民会議報告について懇談


教育改革国民会議からの申し入れに基づき、中曽根教育改革国民会議担当補佐官(参議院議員)との懇談会を開催した。懇談会では、教育改革国民会議が昨年12月22日に公表した報告の内容およびその実態について説明をきくとともに懇談した。

  1. 中曽根補佐官説明要旨
    1. 教育改革国民会議報告について
    2. 昨年9月に発表した中間報告との主な相違点は以下の通りである。

      1. 奉仕活動

        1. 小・中・高校において、実際に奉仕活動を実施する場合、具体的な内容や実施方法は各学校の判断に任せる。子ども達に奉仕活動を体験してもらえれば良い。
        2. 青年の奉仕活動は、実施年齢を限定せず18歳後の青年とした。

      2. 教育基本法
        教育基本法を未来思考型に見直すために、

        1. 新しい時代を生きる日本人の育成、
        2. 伝統、文化など次代に継承すべきものを尊重し発展させていく、
        3. 教育振興基本計画策定に関する規定を設ける、
        という3つの観点が不可欠である。なお、教育基本法の改正の議論が国家至上主義的考え方や全体主義的なものになってはならない。

    3. 21世紀教育新生プラン
    4. 最終報告を受けて、文部科学省では、教育改革の今後の取組みの全体像を示した「21世紀教育新生プラン」を策定した。重点戦略は、

      1. わかる授業で基礎学力の向上を図る、
      2. 多様な奉仕・体験活動で心豊かな日本人を育む、
      3. 楽しく安心できる学習環境を整備する、
      4. 父母や地域に信頼される学校づくりを行う、
      5. 教える「プロ」としての教師を育成する、
      6. 世界水準の大学づくりを推進する、
      7. 新世紀にふさわしい教育理念を確立し、教育基盤を整備する、
      の7つである。
      これらの施策の中で、第1ステージとして、緊急に対応すべき事項について、教育改革関連法案の通常国会への提出(6法案を提出予定)、平成13年度予算案における予算措置、省令の改正等を行う。これにより、最終報告の内容は、かなり具体化できる。第2ステージとして、教育基本法の見直し、教育振興基本計画の策定、18歳後の奉仕・体験活動促進のための仕組みの検討等を行う。
      今後、教育改革を一大国民運動にする必要があり、経団連にも応援してもらいたい。全国的に各県レベルで教育を議論して欲しい。

  2. 懇談要旨
  3. 経団連側からは、

    1. 幼児教育が重要である、
    2. 教育委員会がフィロソフィーを持って取り組むことが重要である、
    3. 日本はグローバル化で遅れをとっており、教育改革のスピードを加速させるためのインパクトが弱い、
    4. コミュニティ・スクールに是非取り組んでみて欲しい、
    5. 学校が良い意味で競争をすべきである、
    等が指摘された。


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