50周年を機にさらなる前進を

豊田章一郎
経団連会長


本年8月、経団連は50周年を迎えました。これまでの皆さまのご協力とご支援に対し厚く御礼申し上げます。

振り返ってみますと、この50年の経団連の歩みは戦後の日本がたどった道のりそのもので、まことに起伏の激しいものであったように思います。日本経済は、戦後の復興から高度成長、資本自由化の推進、環境・エネルギー問題への対応、グローバル化、社会との共生等々と、それぞれの時代に応じたいろいろな課題を克服して来ました。そうした中で、歴代会長をはじめとする多くの方々の英智とご尽力によって、経団連は日本と世界の経済の健全な発展に大きな役割を果してまいりました。

さて、日本は今、21世紀の新たな発展を目指して構造改革に取り組んでいます。経団連でも今年初めに21世紀ビジョン「魅力ある日本の創造」を発表し、そのビジョンの実現を通じて「世界から信頼され、尊敬される日本」を目指して、規制緩和、税財政改革、首都機能の移転などさまざまな重要課題に取り組んでいます。我々の前途は決して平坦ではありませんが、これまでと同様に、問題に真正面からぶつかり、全力で取り組めば、道は必ず拓けると確信しています。時代や環境が変わっても、明るい未来を描きその実現に向かって、自らを変革することが新しい時代を創造する我々の使命であります。変革を恐れ現状に安住することはできません。困難だからこそチャレンジし、難局を乗り越え、そしてその経験を次のステップへの原動力として生かすべきだと思います。

50周年を機に、日本経済の発展に貢献する経団連の責任と役割に改めて思いをいたし、21世紀への歩みを力強く踏み出していきたいと思います。

(とよだ しょういちろう)


日本語のホームページへ