経営タイムス No.2649 (2002年10月10日)

マイン・ベトナム共産党書記長ら来訪

−日本経団連、奥田会長らと意見交換


日本経団連は3日、東京・大手町の経団連会館で、ノン・ドゥック・マイン・ベトナム社会主義共和国共産党書記長一行の訪問を受け、懇談会を行った。懇談会には、奥田碩会長、宮原賢次・日本ベトナム経済委員長らが参加。奥田会長とマイン書記長がそれぞれあいさつした後、ヴー・コアン副首相らと参加者が意見交換した。

歓迎あいさつで奥田会長は、ベトナムの現状について、マイン書記長をはじめ強力なリーダーシップのもと、順調な経済発展を遂げており、将来性豊かな国であるとの認識を示した。
また、日本ベトナム経済委員会を中心として、現地での人材育成セミナーの開催、ベトナム人大学生対象の奨学金制度の創設など、日越関係の緊密化に努めていると、日本経団連のベトナムへの取り組みを披露した。
ベトナム政府の海外からの直接投資については、外国投資法の改正などを通じた積極的な外資導入策を打ち出していると評価した。
しかし、ベトナム政府が発表したオートバイ部品輸入制限に懸念を表明し、この問題の早期解決と一層の投資環境の整備を求めた。

奥田会長のあいさつを受けて、マイン書記長は、日本経済界の協力と貢献に謝辞を述べた上で、経済開発、対外政策、対外経済協力関係、投資面、貿易面などについて語った。
そのうち、対外経済協力関係については、日本は大切なパートナーであり、日本の政府開発援助はベトナムの経済社会発展のみならず、世界経済への統合と両国間の貿易・投資関係の促進に大きく寄与していると述べた。
投資面については、日本の投資家の善意と積極的な貢献を高く評価するとともに、両国間の投資関係が他国の投資家にも良い影響を与えているとした。
しかし、これまでの関係は両国の国力と期待にはまだ不十分であり、経済協力をはじめ、両国の協力関係が一層発展するよう努力したいとの考えを示した。

その後の意見交換では参加者から、ベトナムは政府の協力を得て進出しやすい、本格的に進出し一大拠点となり得る国だと感じた――などの意見が出た。その上で、交通などのインフラが不十分、インフラコストが日本より高い、部品製造など裾野産業を充実してほしい――などの要望も寄せられた。
これらを受けて、コアン副首相とヴォー・ホン・フック計画投資大臣は、ベトナムは日本の投資家を重視しており、さらなる投資環境整備に努めたいとし、そのために、(1)法整備 (2)工業団地や地方への分権 (3)行政改革の推進――の3つの方針をもって進めていると述べた。
さらに、ベトナム政府と日本企業との間で常時意見交換したいとも述べ、特に日越投資貿易ワーキンググループを活用したいとの意向を示した。


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