経営タイムス No.2649 (2002年10月10日)

奥田会長記者会見、「補正予算よりデフレ対策」強調


日本経団連の奥田碩会長は7日、東京・大手町の経団連会館で記者会見し、次の所見を述べた。

まず、日本経済の現状について、景気は底を打ったとの見方もあるが、経済の実態をみると、非常に危惧される状況にあるとの認識を示した。
しかし、景気浮揚を目的とする補正予算をいますぐ編成する必要はないと述べた。補正を考えるとすれば、景気がさらに悪化し、デフレ・スパイラルに陥ることが予見された段階であるだろうとの考えを示し、ただちに補正予算に頼ることを戒めた。補正予算よりも先に、一刻も早くデフレ対策を講じるべきであることを強調した。
また、株価が危機的な状態にあることを憂慮しているとし、株価下落を止め、経済のさらなる悪化を防ぐためにも、証券税制や土地税制、贈与税・相続税を含む一連の税制措置などによるデフレ対策が必要であると語った。

竹中金融担当大臣が主宰する「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」については、実業界からメンバーが入っていないことに若干奇異の念を抱くとの感想を述べた。同時に、不良債権処理は産業再編と表裏一体の関係にあり、失業者の増加も予測されることから、雇用などのセーフティネットの拡充とワンセットで行うべきであるとの認識を示した。

最後に、企業不祥事の防止を目的として、現在日本経団連が進めている「企業行動憲章」の改定などの対策を、10月15日の理事会で機関決定し、発表することを明らかにした。


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