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経営タイムス No.2659 (2003年1月14日)

日本経団連・奥田会長、日本経済再建へ決意表明

−経済3団体新年祝賀パーティー


日本経団連、経済同友会、日本・東京商工会議所の経済3団体共催による新年祝賀パーティーが6日、東京・千代田区のパレスホテルで開かれ、主催各団体の首脳、会員団体はじめ政界、官界、各国駐日大使ら1500人が賀詞を交換した。

パーティーの冒頭、共催団体を代表してあいさつした奥田日本経団連会長は、今年を「21世紀日本の帰趨を決める年」とし、経済界が全力をあげて、自力で日本経済再建に取り組む決意であることを表明、そのために国に万全の環境整備を求めた。
また、個々の企業に対しては、高度な技術開発や新たなサービス・商品開発などに努めると同時に、国民の信頼と共感を得られる存在となるよう自らを律していかなければならないと訴えた。

その後の共同会見で奥田会長は、今年の景気見通しについて、「国際的な政治情勢に大きな変化がないとすれば、ゼロから1%の間の成長率になるだろう」とし、また、デフレ対策については、「デフレ・スパイラルに陥っているかどうか慎重に見極める必要がある。中国の世界経済参入、ITによるコスト低減などの影響で、世界的に物価が下落している」と述べた。
さらに、インフレターゲットについては非常に難しく、実行できないだろうとしながらも、「現在日銀が進めている量的緩和は一種のインフレターゲットであり、これには反対しない」との考えを示した。
不良債権処理の見通しでは、金融機関の会計処理と企業の過剰債務処理とが混同されていることを指摘。「前者は2、3年もかければ処理が可能だが、後者は優良企業の選別、建て直しが必要で難しい」と述べた。消費税率の引き上げについては、消費税を議論する前提として、まず徹底した歳出削減が必要であることを強調。その上で「それでも毎年1〜2兆円増える社会保障関係費を賄う財源がない。社会保障制度を維持し、財政を破綻させないようにするためには、消費税率の引き上げを避けては通れない。日本経団連は、毎年1%ずつ16%まで徐々に引き上げる案を示した。その際、贅沢品と生活必需品で税率を変えるなどの工夫をする必要がある」とした。
次期日銀総裁への期待については、金融事情、金融政策、財政政策等に通じ、幅広い人脈を有する人が望ましいと述べた。


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