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経営タイムス No.2668 (2003年3月20日)

日本経団連・中国経連、中国地方経済懇談会開く

−新たな中国地域の発展策探る


日本経団連(奥田碩会長)と中国経済連合会(中国経連、高須司登会長)共催による「第31回中国地方経済懇談会」が、12日、広島市のホテルグランヴィア広島で開催された。会合には、両連合会首脳はじめ中国経連会員など240名が参加。「豊かな日本の創造と新たな中国地域の発展に向けて」をテーマに、地方分権や構造改革特区、都市再生問題などについて意見が交換された。

地方分権問題など論議

中国経連の高須会長は開会あいさつで、中国地域企業の海外進出が増えていることを紹介。それに伴う雇用喪失をカバーするため「環境産業など新たな成長分野で新事業・新産業の創出が必要」として、「中国地域産学官連携サミットを開催するなど、地域をあげて産学官連携活動を推進している」と説明した。

これを受け、奥田会長は経済や社会システムの思い切った改革が不可欠な今、「日本としての新たな成長モデル確立が重要な課題のひとつ」と提起。
その上で、新たな成長のためには、「他国が追随できない高付加価値の新しい製品・サービスを生み出していくべき」と述べ、その方策として「産学連携の強化などで、技術革新のダイナミズムを最大化していく」ことの重要性を説いた。
併せて、中国地域で「産学官連携サミットなどを通じ、地域の特性を活かした新産業創出・集積が形成される」ことに期待を寄せた。

■ 活動報告

活動報告では、日本経団連の西室泰三副会長が「社会保障制度改革への取り組み」について、岸曉副会長が「IT革命推進に向けた取り組み」について、前田又兵衞政治・企業委員会共同委員長が「政治への取り組み」について報告した。 この中で、岸副会長は、日本経団連の情報通信委員会では近々、「安全・安心」な電子政府の実現などを求める、新しいIT戦略に関する提言を取りまとめる予定であることを明らかにした。

中国経連からは、徳永幸雄副会長が「産学官連携の推進」について、宇田誠副会長が「瀬戸内海地域の総合整備」について、岡崎彬副会長が「都市圏整備」について報告。

■ 自由討議

自由討議では、中国経連会員から、「地方の自立には、国と地方の役割分担の明確化が必要」「地域振興や社会貢献に対する寄付金の税制緩和に尽力願いたい」「現在の教育体制では社会をリードする革新的な人材が育ちにくい。産学連携などを通じ、出る杭を育て、伸ばすというエリート教育が必要」などといった、地方分権推進や、税制改革、人材育成などに関する意見が相次いだ。

これらの活動報告や自由討議での発言に対し、日本経団連首脳からは、「地域の特性を活かした技術開発は、競争力の源泉となる。産学官連携の取り組みが活発なことを頼もしく思う」などの発言があった。


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