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経営タイムス No.2689 (2003年8月28日)

経済広報センター、「企業広報賞」表彰式開く

−4社・4氏が受賞/奥田会長「新たな価値創造へ重要な役割担う」


経済広報センター(会長=奥田碩日本経団連会長)は26日、東京・大手町の経団連会館で「企業広報賞」の、今年の受賞企業・受賞者に対する表彰式を開催した。表彰式ではアスクル、花王、カゴメ、京王電鉄の企業広報大賞受賞4社、加賀見俊夫・オリエンタルランド社長、金川千尋・信越化学工業社長の企業広報経営者賞受賞者2氏に表彰楯やトロフィーが贈呈された。

今回が19回目となる企業広報賞の表彰式ではまず、主催者を代表して奥田会長があいさつ。「経営理念や経営改革の方向を明確に打ち出し、投資家、消費者、従業員などの各ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを進めているかが評価の基準である」と同賞の選考ポイントを説明した上で、「4社、2氏はその模範となるべき活動を実践している」と、受賞企業・経営者をたたえた。また奥田会長は、「企業が社会からの共感と信頼を得ながら、創意工夫を重ね、自由闊達に新たな価値の創造に励むことが、民主導・自律型経済社会の基本となる。広報はそのための重要な役割を担っている」として、来場の企業広報関係者に一層の努力を求めた。

表彰式はこのあと、一橋大学大学院商学研究科教授・商学部長の伊藤邦雄氏をはじめとする選考委員6氏を紹介、表彰楯・トロフィーの贈呈、伊藤選考委員による講評、受賞企業・受賞者あいさつが行われた。
また、表彰式終了後はパーティーを開催、広報活動に携わり企業広報の発展に功労の大きかった個人やチームに贈られる企業広報功労・奨励賞を受賞した資生堂執行役員常務・コーポレートコミュニケーション本部長の鈴木奎三郎氏、旭化成理事・総務センター長兼広報室長の山中塁氏が受賞の感想を述べ、今後の抱負を語った。

◇ ◇ ◇

企業広報賞が創設されたのは1984年。広報活動の活性化を目的に、優れた広報活動を実践している企業や個人を表彰している。
企業広報大賞は「企業としての総体的価値を社会にアピールできているか。経営トップと広報が効果的に連携・一体化して積極的な広報活動をしているか」、企業広報経営者賞は「トップ自らが広報の重要性を認識し、各ステークホルダーと積極的にコミュニケーションを図っているか」が選考ポイント。

<受賞理由>

今回受賞した企業、経営者の受賞理由は次のとおり。

◆企業広報大賞
アスクル
企業規模の急拡大に対応し、企業理念の浸透に主眼を置いた多彩な社内広報の取り組みが評価された。また、対面コミュニケーションが難しい業態にあって、事業内容の理解と企業イメージの向上を図るための、経営トップを核とした対外広報活動もポイントとなった。
花王
堅実かつ持続的に高いレベルの広報活動を実践している点が評価された。さまざまな経営改革や事業展開などについての情報を、着実に発信し続けている。タイムリーなディスクロージャーにも定評がある。
カゴメ
IR広報の充実ぶりが特に評価された。「株主10万人構想」をうたい、自社に対する理解・共感を促進することを通じて消費者の「ファン株主」化を図るなど、先進的な活動を実践している。
京王電鉄
女性専用列車の導入など先進的な取り組みの効果的な告知や、新規事業(宿泊特化型ホテル)の広報活動、「マナー川柳」による啓発活動などにより、自社の認知度および好感度を上げている。一方、「沿線価値向上」をめざし、地域広報にも着実に取り組んでいる点も評価された。
◆企業広報経営者賞
加賀見俊夫・オリエンタルランド社長
長期にわたり、経営内容や企業理念をトップ自らが外部に語りかけている。特にマスコミに対するきめ細やかで積極的なコミュニケーションが高く評価された。
金川千尋・信越化学工業社長
メディアを通じて自らの経営哲学を強く発信し、同社への認知および理解を高めた。また、率先してIR活動や社内広報活動に取り組んでいることも評価された。

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