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経営タイムス No.2691 (2003年9月11日)

呉邦国・中国全人代常務委員長招き歓迎昼食会

−日本経団連など5団体が開催


日本経団連と経済同友会、日本商工会議所、日本貿易会、日中経済協会の5団体は5日、東京・丸の内の東京會舘で、来日した中国の呉邦国・全国人民代表大会常務委員会委員長の歓迎昼食会を開催した。同歓迎昼食会には、日本側からは奥田碩・日本経団連会長、北城恪太郎・経済同友会代表幹事、山口信夫・日本商工会議所会頭、西村英俊・日本貿易会副会長、渡里杉一郎・日中経済協会会長、中国側からは常務委員会副委員長、財経委員会主任委員、外事委員会主任委員らのほか、両国の政財界関係者約170名が出席。歓迎あいさつの中で北城経済同友会代表幹事は今後の日中経済発展のために、中国に対して国際基準との整合性や法規制の透明性確保などを要望。これに対し、呉委員長は、外国企業からの投資誘致のため、今後も積極的に努力していくことなどを強調した。

冒頭、主催者を代表してあいさつに立った北城代表幹事は、日中の経済関係が最近一層緊密さを増していると指摘した上で、「日本の景気回復は輸出に負うところが大きい。中国経済が高度成長を続けることは日本経済にとっても促進要因になる」と中国経済への期待感を示した。
また、「日本経済再生にとって重要なことは、中国と競合しない技術・製品を開発することだ」とも述べ、日中経済関係を今後一層発展させる鍵は、互いのメリットを最大限生かした相互補完関係を築き上げることにあるとの考えを強調した。
さらに北城代表幹事は、中国側への要望として、国際基準との整合性確保、法規制の透明性確保、中央・地方政府による統一行政、知的所有権の実効的保護、為替レート適正化などを挙げるとともに、計画中の北京・上海間高速鉄道への日本の新幹線方式採用に前向きな検討を求めた。

これを受けてあいさつに立った呉委員長は、「中国は全面的に対外開放のレベルを高め、積極的に外国企業の投資を誘致する」として、(1)サービス業の対外開放に関する法規・規則の制定と完備を急ぎ、サービス貿易分野の開放を推進する(2)多国籍企業が中国で地域本部とR&Dセンターを設立することを奨励する(3)外国企業投資の審査・許可の能率向上や高能率の通関を推進する(4)海外投資者と外国企業への知的所有権保護を強化する――ための諸施策を促進することを明らかにした。
また、「中国経済の急速な発展と改革開放の不断の深化は世界の企業に、より大きな市場とチャンスを提供している」として、「中国脅威論」や「デフレ輸出論」を否定。その上で呉委員長は、日本の豊かな資金・技術力が中国の近代化促進を促し、中国の優秀・豊富な労働力と潜在力の高い市場、改善しつつある投資環境が日本に十分な利益をもたらすとして、日中関係が長期にわたり「競争より協力」による相互発展を指向するよう訴えた。


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