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経営タイムス No.2705 (2004年1月15日)

日本経団連が大学等新卒者採用調査

−コミュニケーション能力を重視


日本経団連は7日、2003年11月に会員企業(東京経営者協会会員も含む)2095社を対象に実施した「大学等新卒者採用に関するアンケート調査」の結果を発表した。

同調査は就職協定が廃止された1997年から、10月1日の正式内定日以降に、無記名アンケート形式で毎年実施しているもの。今回は699社が回答した(回答率33.4%)。その内訳は製造業47.2%、非製造業52.8%、従業員規模別では、1000人以上54.7%、1000人未満47.3%で、大企業が多い。

同調査結果の概要は次の通り。

○採用実施企業・採用人数とも増加傾向

採用実施企業は85.7%(前年度比6.4ポイント増)、採用人数が増加した企業は35.1%(同7.7ポイント増)と、採用状況は好転の兆しを見せている。一方、採用予定数に対する充足率90%以上の企業は83.9%(同12ポイント減)にとどまっている。

○早期化・長期化する採用活動

採用活動の開始時期を早めた企業は27.6%、終了時期が変わらなかったり遅くなった企業は84.7%と、採用活動の早期化・長期化傾向が見られる。

○定着する多様な採用活動形態

「説明会の複数回開催」(83.6%)、「オープンエントリー制」(70.9%)と、多様な人材発掘を進める企業が拡大、特徴ある採用手法が定着傾向を見せている。
また、選考プロセスを事前開示している企業は73.7%(同7.4ポイント増)と増加しており、こうした企業の多くがその実施効果を高く評価している。

○採用活動に不可欠なインターネット

インターネットのみで応募を受け付ける企業が56.7%(同13.1ポイント増)と、初めて過半数を超え、郵送方式との併用を含めると84.4%に達している。
企業・採用情報に関しては、90.8%の企業が自社のホームページを、80.4%が就職情報会社などのサイトを活用している。
インターネットの効果は利用企業の9割以上で評価され、いまや就職・採用活動に必須の媒体となっている。

○重視されるコミュニケーション能力

企業が採用時に重視する要素の第1位は「コミュニケーション能力」、第2位は「チャレンジ精神」、第3位「主体性」、以下「協調性」「誠実性」「責任感」「潜在的能力(ポテンシャル)」「創造性」「論理性」「リーダーシップ」と続いている。

○倫理憲章に対する企業の自己評価

倫理憲章に則った採用活動を行ったかについての自己評価では、「採用選考活動の早期開始の自粛」が67.4%(同1.5ポイント減)にとどまった。
一方、「情報公開の徹底」「正常な学校教育と学習環境の確保」「公平・公正な採用の推進」については、8割以上の企業が実施できたと自己評価。「学生の申し出により選考日程を調整」し、「選考活動を土日、祝日」に実施するなど、学事日程に配慮する企業が増加している。


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