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経営タイムス No.2706 (2004年1月22日)

「日本経団連労使フォーラム」開く

−今次春季労使交渉の課題や対応策を探る


日本経団連は14、15の両日、東京都内のホテルで「第105回日本経団連労使フォーラム」を開催した。全国の経営トップや人事・労務担当者ら約440名が参加し、今次春季労使交渉における労使の課題や対応策などを探った

1日目の冒頭、奥田碩会長が「家計からみた構造改革」と題して基調講演を行った。この中で奥田会長は、日本経済の現状について、上向きつつあるが十分に力強いものにはなっていないとの認識の下、昨年12月に発表した『2004年版経営労働政策委員会報告』では、新たな需要や産業、雇用を創出する取り組みの強化、「守りの改革から攻めの改革へのシフト」を強く訴えたと語った。
さらに、企業とならぶ民間経済の主役である家計の側面からも改革を考える必要があるとして、家計消費の選択肢と自由度の拡大につながる政策について、優先順位付けをすることが日本経済・社会の構造改革への一番の近道ではないかとの考えを示した。
その上で奥田会長は、今年の春季労使交渉において、「家計の側面からみた政策の必要性について労使で話し合ってほしい」と呼びかけた。

続いて、UFJ総合研究所シニアフェローの原田和明氏が「新年の景気と日本の未来像」をテーマに講演した。

「社会保障制度改革に向けた経営側の考え方」について講演した西室泰三副会長は、年金や医療、介護など社会保障制度を一体で考え、国民に安心感を与えるものに改めるべきだと強調した。

パネル討議「経営労働政策委員会報告の主張」では、柴田昌治副会長、和田紀夫副会長、島田晴雄・慶應義塾大学教授がパネリスト、矢野弘典・日本経団連専務理事がコーディネーターを務め、今年の春季労使交渉のポイントについて議論した。

1日目の最後には、日本労働組合総連合会(連合)の笹森清会長が「これからの労働組合運動」と題して講演した。

2日目の冒頭、春季労使交渉における経営側の具体的対応について、日本経団連事務局が説明した後、主要産業別組合のトップ3氏が、今次交渉に臨む方針や制度・政策要求内容などを解説した。

「今次交渉の具体的対応と雇用・処遇のあり方」をテーマとしたパネル討議では、労働評論家の久谷與四郎氏をコーディネーターに、松原彰雄・トヨタ自動車専務取締役、丸山誠・日本電気取締役常務、平山喜三・新日本製鐵取締役らパネリストが、業界と自社の現状に基づいた経営側の今次交渉の取り組み方針を説明し、意見を交換した。

最後に、建築家で東京大学名誉教授の安藤忠雄氏の特別講演「元気出せ! 日本」で閉会した。


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