[ 日本経団連 ] [ 機関誌/出版物 ] [ 経営タイムス ]

経営タイムス No.2709 (2004年2月12日)

日本経団連、カンタン・欧州委員会雇用・社会問題総局長と懇談

−労使関係のあり方と国際競争力回復で意見交換


日本経団連の柴田昌治副会長は9日、東京・大手町の経団連会館においてオディール・カンタン・欧州委員会雇用・社会問題総局長と懇談を行った。

柴田副会長は、日本が現在、春季労使交渉を行っている時期であることを紹介。今次の交渉において日本経団連が経営者の立場から最重要課題としていることは、企業の存続と雇用の維持であり、そのためには自社の付加価値生産性に応じた総額人件費管理の徹底が重要であると説明した。
さらに、最近低下を続けている国際競争力を取り戻すため、低生産性分野における規制・保護を撤廃することや、高コスト構造を是正し、ヨーロッパ諸国に比べて著しく低い日本の対内直接投資を推進することが重要と指摘、そのためにも労使のパートナーシップをさらに強化することで変革に対応していく必要があると述べた。

カンタン総局長は、EU諸国でも国際競争力が重要と認識されており、この問題を雇用や社会の一体性と結びつけて対応しようとしていると紹介。環境変化への柔軟な対応と、より多くのより良い雇用とのバランスに腐心していると述べた。そしてアイルランドを成功例として挙げ、その背後に労使のパートナーシップが大きく働いたとの認識を示した。

EU拡大が労働分野にどのような変化をもたらすかとの柴田副会長の質問に対し、カンタン総局長は、全てを一致させるつもりはないが、経済レベルの底上げのために政府・企業・労組の管理・経営能力の向上や、環境・安全に対する知識の普及に努めるとし、拡大によって変化が加速される今後は、ますます労使のパートナーシップが重要になると述べた。


日本語のトップページ