日本経団連タイムス No.2741 (2004年10月7日)

日本経団連、新内閣へ要望/奥田会長が小泉首相と新閣僚、自民党三役訪問

−税・財政・社会保障制度の一体的改革など、5項目の優先政策課題提起


日本経団連の奥田碩会長は9月30日、第2次小泉改造内閣が9月27日に発足したことを受け、小泉純一郎総理や新閣僚、自由民主党三役を訪ね、新内閣への要望(全文別掲)を手渡した。訪問の際に奥田会長は、「税・財政・社会保障制度の一体的改革」など当面優先すべき政策課題5項目を提起した新内閣への要望の主旨を説明した上で、小泉改革の実現に向けて、新内閣と与党への期待を示すとともに、日本経団連として引き続き小泉内閣に協力していくとの意向を表明した。

奥田会長が9月30日に訪問したのは、小泉総理のほか、南野知惠子法務大臣、中山成彬文部科学大臣、島村宜伸農林水産大臣、北側一雄国土交通大臣、伊藤達也金融担当大臣、村上誠一郎行革・産業再生担当大臣、棚橋泰文科学技術担当大臣らの新閣僚と、自民党の新しい三役である武部勤幹事長、久間章生総務会長、与謝野馨政務調査会長の3氏。
手渡した要望は、小泉総理の掲げる改革方針を全閣僚が共有し、与党と一体となって改革に邁進することを求めた上で、当面優先すべき政策課題として、(1)税・財政・社会保障制度の一体的改革 (2)21世紀にふさわしい独占禁止法への抜本改革 (3)産業界の自主的取り組みを重視した地球温暖化対策推進、原子燃料サイクルの着実な推進、ITER(国際熱核融合実験炉)の日本誘致 (4)規制改革・民間開放の推進、科学技術創造立国の基盤整備、都市・住環境整備、若年層の就労促進・教育改革推進 (5)東アジア自由経済圏実現に向けた高度かつ包括的な経済連携協定の早期実現――の5項目を提起している。

奥田会長は第2次小泉改造内閣が発足した際に、小泉総理のリーダーシップの下で、政府・与党が一体となって改革に邁進するよう要望するコメントをすでに発表しているが、今回の訪問で当面優先すべき政策課題を新内閣に直接示すことで、その実現を日本経団連としてあらためて求めた。


新内閣への要望

2004年9月30日
(社)日本経済団体連合会

日本経済は、不良債権処理や規制改革の推進など、小泉構造改革が成果を上げ始めたことに加え、企業が“守りのリストラ”を終え“攻めの経営戦略”へと軸足を移したことを背景に、安定成長への軌道に戻りつつある。しかしながら、世界経済の動向や原油価格など、依然として不透明な要素があるうえ、地域、あるいは企業の規模によって回復に格差が見られる。

こうしたなか、新たに発足した第2次小泉改造内閣は、税・財政・社会保障などの改革を推進し、その成果を国民に示すことが求められる。小泉総理の掲げる改革方針を全閣僚が共有し、与党と一体となって改革に邁進することを我々は期待するとともに、引き続き小泉内閣に協力していく。特に、当面優先すべき政策課題は下記の通りである。

  1. 経済活力、国際競争力の強化に向けた税・財政・社会保障制度の一体的改革

  2. 21世紀にふさわしい独占禁止法への抜本改革

  3. 環境税や規制的手段ではなく産業界の自主的取組みを重視した地球温暖化対策の推進、原子燃料サイクルの着実な推進とITERの日本誘致

  4. 一層の行政改革の推進と民間の活力の発揮を促す規制改革・民間開放の推進、科学技術創造立国に向けた基盤整備、都市・住環境の整備、若年層の就労促進・教育改革の推進

  5. 東アジア自由経済圏の実現に向けた韓国、タイ、フィリピン、マレーシアとの高度かつ包括的な経済連携協定の早期実現

【総務本部秘書担当】
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