日本経団連タイムス No.2744 (2004年10月28日)

第17回東京国際映画祭開幕

−「映像産業振興に協力」/奥田会長、発展へ期待感を示す


日本経団連が後援する第17回東京国際映画祭のオープニング・セレモニーが23日、六本木ヒルズのグランドハイアット東京において開催された。セレモニーに出席する多数のゲストを迎えるために、六本木のけやき坂には約250メートルにもわたるレッドカーペットが用意され、国内外の映画監督、俳優などが多数姿を見せた。

セレモニーでは、角川歴彦同映画祭ゼネラル・プロデューサーの開会宣言に先立ち、奥田碩・日本経団連会長があいさつした。その中で奥田会長は、同映画祭において、コンペティションとともに、大規模なコンテンツ・マーケットが設けられていることに触れ、「こうした場を通じて、日本のコンテンツの産業力を内外にアピールし、次の作品をより豊かに生み出す力につなげていってもらいたい」と述べ、映像産業振興のさらなる発展に期待感を示した。
さらに奥田会長は、今回の映画祭を契機に、日本のコンテンツの魅力に対する評価が高まり、今後生み出される作品が一層充実したものになるよう、日本経団連としても、映画・テレビ・アニメをはじめとする映像関連産業や政府ならびに自治体の力を結集し設立される「映像産業振興機構」への協力などを通じて、精一杯のバックアップをしていくとの考えを明らかにした。

その後、小泉純一郎総理が登壇し、映画産業が「テレビやレンタルビデオなどの普及によって、映画を見る人口が減るだろう」という一般的な定説を覆し、観客動員が増え、収容施設が増設されるなど、活気づいている現状を「大変喜ばしい」と評価。さらに小泉首相は、自身が少年時代に「鞍馬天狗」や「ターザン」に熱狂した経験談を披露し、「映画は子どもにとっても大人にとっても最大の楽しみ。映画は国境を超える素晴らしい世界の財産だと感じている」と述べ、セレモニーに参加している関係者に対し、今後とも世界の人々の期待に応える映画を送り出してほしいと激励した。

今回の映画祭は、映像コンテンツ産業の振興を図るという側面を重視していることも特徴であり、同映画祭を軸にさまざまなイベントが開催されている。25〜27日には東京の六本木ヒルズで、事業者対象の見本市である「東京フィルム&コンテンツマーケット」が、22〜24日は、千葉の幕張メッセにおいて、コミック、アニメ、ゲーム、フィルムの一般消費者対象の見本市である「東京国際エンタテインメントマーケット2004」(日本経団連が後援)が開催された。
後者の見本市のパーティーでは、日本経団連産業問題委員会の依田巽・エンターテインメント・コンテンツ産業部会長があいさつに立ち、コンテンツ関係者が結集して設立した「映像産業振興機構」により、さらなるコンテンツ産業の発展につなげたいと語った。

【産業本部産業基盤担当】
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