日本経団連タイムス No.2746 (2004年11月18日)

リューテル・エストニア大統領と懇談


日本経団連は1日、東京・大手町の経団連会館で、エストニア共和国のアルノルド・リューテル大統領との昼食懇談会を開催した。懇談会にはエストニア側からリューテル大統領はじめ、イングリッド・リューテル大統領夫人、カングロ在京エストニア大使館臨時代理大使、エストニア中央銀行のクラフト総裁、サムリク旅行協会会長らが、日本経団連側からは佐々木元ヨーロッパ地域委員会共同委員長はじめヨーロッパ地域委員会委員らが出席した。

「EU・日の架け橋に」―リューテル大統領

歓迎あいさつで佐々木共同委員長は、3月に日本経団連訪バルト三国ミッションの団長としてエストニアを訪れた際に、同国が旧ソ連邦からの離脱を「独立回復」と位置付け、欧州への回帰をめざして抜本的な制度改革を、スピード感をもって進めていることに強い印象を受けたと述べた。その上で、エストニアなどの加盟によって5月にEU拡大が実現し、6月には欧州憲法条約が採択されるなど、EUの拡大・深化が進む中で、今回の懇談は、エストニアが今後どのような国家運営を行うのかを大統領に直接伺える貴重な機会であると語った。

これを受けてリューテル大統領は、「『日・EU市民交流年』となる来年は、日本との協力をより拡大していくチャンスである」と述べるとともに、エストニアを、EUと日本とのビジネスの架け橋・経由地としていきたいとの意向を示した。
さらにリューテル大統領は、同国の主要港湾であるタリン港について、不凍港であることに加え、オペレーションが優れており、迅速・正確で質の高いサービスが提供できると、同港の優秀性を強調。その上で、「タリン港は日本の自動車はじめ各種製品を、EU諸国やロシア、CIS諸国へ搬送する際の拠点になり得る」と述べ、物流拠点としてエストニアは、日本企業のビジネスをサポートできると語った。

日本人観光客の誘致に意欲

また、サムリク旅行協会会長は、エストニアを昨年訪れた日本人観光客が約1万人に達したと述べるとともに、中世の趣を残す同国の首都タリンには、最新機能を備えたスパホテルなど施設近代化への投資が行われていることを紹介、日本人観光客の誘致に強い意欲を示した。

【国際経済本部欧州担当】
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