日本経団連タイムス No.2751 (2005年1月13日)

「日本経団連フォーラム21」が拡大講座

−奥田会長、教育・人材育成の重要性強調


日本経団連は12月15日、次代の経済界を担う創造的なリーダーを養成することを目的に、企業の幹部社員を対象として毎年度開講している「日本経団連フォーラム21」の拡大講座を開催した。今年度の受講生である15期生27名のほか、同フォーラムの修了生らも参加したこの日の拡大講座では、チーフ・アドバイザーを務める奥田碩日本経団連会長と建築家の安藤忠雄氏の講演を聴取した。

講演の中で奥田会長は、教育・人材育成の重要性を強調した上で、今後求められる人材が備えるべき特質として、(1)心と志 (2)行動力 (3)知力――の3つを挙げ、これらの涵養を、人づくりや教育の指針とすべきであるとの考えを示した。また、最近の若者の特徴については、「受験勉強によって学力の偏差値は高くても、人生におけるさまざまな体験が不足している」と指摘。その上で、学校や企業は、教育・採用などを行うにあたり、学力以外の重要性にも十分注意を払うべきだと語った。
さらに奥田会長は、企業人としての自らの体験を例に挙げながら、企業のリーダーである経営者のとるべき姿勢として、金銭の大切さを認識すべきことや、常に原点を忘れずに、仕事に没頭することの必要性を説いた。

日本文化のあり方見直しを

続いて登壇した安藤忠雄氏は、現代の日本人が抱える問題点として、ものを考える力や創造力に欠けていることを挙げた上で、四季折々の美しい風土を基盤とし、高度な美意識に支えられた江戸時代末期の大衆文化などを参考に、いま一度今日の日本文化のあり方を見直すべきだと主張。そのために、企業や行政も、もっと文化的な視点を持って活動しなければならないと語った。

【出版・教育研修本部研修担当】
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