日本経団連タイムス No.2755 (2005年2月10日)

「倫理憲章」趣旨の一層の理解と徹底を

−「共同宣言」814社が賛同表明


日本経団連は1997年1月の就職協定の廃止以降、大学など新卒者の就職・採用活動時における混乱を避けるために、企業に対して責任と秩序ある採用活動を呼びかける「新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」(倫理憲章)を毎年発表しているが、倫理憲章の趣旨の周知徹底と実効性をより高めるために、「倫理憲章の趣旨実現をめざす共同宣言」(共同宣言)を03年12月に初めて実施した。共同宣言は、倫理憲章の趣旨実現に賛同を表明した日本経団連の会員企業名を公表したもので、644社が名前を連ねた。

共同宣言の実施について、会員企業からは、「採用活動の早期化に一定の歯止めをかけることができた」「共同宣言に賛同した企業だけでなく、それ以外の企業に対する影響も大きかった」など、その効果を指摘する意見が多く寄せられた。
そこで、05年度の採用活動においても、企業に対して(1)正常な学校教育と学習環境の確保 (2)採用選考活動早期開始の自粛 (3)公平・公正な採用の徹底 (4)情報の公開 (5)採用内定日の徹底 (6)大学院修士課程修了者および高校卒業者への配慮――を求めた、05年度の倫理憲章04年10月21日号既報)に対する共同宣言への参加を会員企業に呼びかけたところ、前回の644社を上回る793社が賛同を表明した(04年11月18日号既報)。さらに、今回の共同宣言を発表して以降にも、新たに21社が賛同を表明し、最終的には、814社が共同宣言に名前を連ねることとなった。
日本経団連は今後も、就職・採用環境の改善と公平・公正な採用活動の実現に向けて、企業に対して一層の理解と実践を呼びかけていくとともに、学校側とも協議を行っていくこととしている。

【協賛企業名】(50音順)
京成電鉄神戸製鋼所JFE商事JFEスチール島津製作所JALUX
住友スリーエム太平洋セメント千葉銀行東洋製罐豊田自動織機豊田通商
西日本鉄道ニスコム日産自動車日新電機日鐵商事能美防災
古河電気工業マブチモーターレンゴー
以上21社
【出版・教育研修本部教育問題担当】
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