日本経団連タイムス No.2756 (2005年2月17日)

中小企業委員会開く

−中小企業庁から政策課題など聴取


日本経団連の中小企業委員会(指田禎一委員長)は15日、都内で会合を開催した。
政府の2005年度中小企業対策関連予算が固まったことや、いわゆる中小企業経営革新支援3法(経営革新法、中小創造法、新事業創出促進法)を整理・統合する法案が今通常国会に提出されたことを受け、この日の会合では、中小企業庁の山本雅史企画課長から、中小企業政策の現状と課題について説明を聴取した。

山本課長は05年度の中小企業対策関連予算の基本的考え方について、踊り場を迎えつつある経済状況の下、引き続き中小企業金融・再生支援に万全を期すとともに、中小企業の新事業への挑戦を強力に支援することで、経済活性化・雇用拡大・地域再生を図るのがねらいと説明。その上で、中小企業政策の重点項目として (1)「市場に挑戦する中小企業の支援」を通じた経済活性化・地域再生 (2)中小企業の人材育成・活用支援 (3)中小企業の再生支援と中小企業金融の多様化・円滑化 (4)商店街・中心市街地活性化対策の重点投入――の4点を挙げた。
このうち、(1)について山本課長は、中小企業向けの経営支援施策を利用者のニーズをふまえて見直し、経営革新法や中小創造法、新事業創出促進法を整理統合して、「中小企業新事業活動促進法(仮称)」を制定する法律案を今通常国会に提出、昨今の環境変化に対応し得る制度の創設をめざしていると説明。特に中小企業が、他の企業や大学・研究機関、NPOなどと連携し、それぞれの有する「強み」を相互補完しながら、高付加価値の製品やサービスを創出する新たな連携(新連携)を積極的に支援していきたいと述べ、具体的には、連携に参加する企業への資金調達支援や設備投資減税などを行っていく計画であることを示した。

中小企業委員会ではまた、中小企業にとって重要な課題となっている人材育成や人材確保のあり方を探るため、学識経験者や中小企業経営者から、意見や講演の聴取を行っている。

この日の会合では、水道水ろ過材のトップメーカーである日本原料(神奈川県・川崎市)の齋藤安弘社長から、同社が取り組んできた組織改革や人材活性化施策についての説明を聴取した。同委員会では今後も、事例研究や討議等を通じて、中小企業の人材の問題について検討を重ねていく予定。

【労働政策本部労政・企画担当、組織協力本部地域政策担当】
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