日本経団連タイムス No.2759 (2005年3月17日)

金属関係主要4業種で回答

−春季労使交渉、業績の賞与・一時金への反映定着


16日を回答指定日として賃上げ、一時金などの要求を提出していた鉄鋼、自動車、電機、造船など金属労協に加盟する主要労組に対して、経営側は同日、一斉に回答を提示した。賃金については、ほとんどの企業が「賃金体系維持」などの回答を示した一方、一時金については、自動車、電機を中心に前年比増の回答を示した企業が多くなっている。
今次交渉では、自社の経営環境や業績、支払い能力などを踏まえて賃金決定を行い、短期的な業績は賞与・一時金に反映するという考えが定着したといえる。

〔鉄鋼〕

今年は複数年協定の中間年に当たるため、賃金に関する要求はなく、昨年の交渉において「定昇3700円」で決定済みとなっている。一時金については、住友金属が年間182万円(昨年150万円)の回答、新日鐵、JFE、神戸製鋼は業績連動方式を採用している。

〔自動車〕

賃金では、トヨタ自動車、日野自動車、ダイハツ、富士重工、スズキ、ヤマハなどの「個別ポイント」での要求に対して、トヨタ自動車6900円、日野自動車4638円、ダイハツ「ベースアップは実施しない」、富士重工とヤマハ「賃金体系維持」、スズキ「昨年同様の配分を行う」との回答が示された。本田技研、三菱自工、マツダは要求の提出がなかった。
一時金の回答は、トヨタ自動車年間244万円(昨年235万円)、日産自動車年間217万3000円(同209万6000円)、本田技研年間239万1000円(同243万9000円)、三菱自工年間91万1000円(同90万9000円)、マツダ年間182万9000円(同176万9000円)、日野自動車年間135万9400円+5万円(同135万600円+10万円)、ダイハツ年間5.7月(同5.5月)、いすゞ年間4.2月(同3.0月)、富士重工年間4.5月(同5.0月+1人平均5万円)、スズキ年間5.7月(同5.6月)、ヤマハ年間5.8月(同5.70月)となっている。

〔電機〕

賃金については、大手17社とも「35歳技能職基幹労働者」「30歳技術職基幹労働者」のいずれかの銘柄で「賃金体系維持」との回答が示された。
一時金の回答は、日立年間144万4554円=4.82カ月(昨年139万1746円=4.65カ月)、三菱電機年間138万4000円=4.8カ月(同127万9000円=4.45カ月)、シャープ年間164万4074円=5.21カ月(同162万1792円=5.17カ月)となっている。東芝、NEC、富士通、松下電器産業、松下電工、三洋電機などは業績連動方式を採用している。

〔造船〕

大手各社の労組はベースアップ要求を見送っており、賃金については「定昇分6000円」の回答が示された。
一時金については、三菱重工年間45万円+3.5カ月(昨年47万円+3.5カ月)、石川島播磨重工年間20万円+3.5カ月(同14万円+3.5カ月)、三井造船年間18万円+3.5カ月+特別協力金3万円(同20万円+3.5カ月+3万円)、住友重機年間50万円+3.5カ月(同40万円+3.5カ月)との回答のほか、川崎重工、ユニバーサル造船は業績連動方式を採用している。

【労働政策本部労政・企画担当】
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