日本経団連タイムス No.2764 (2005年4月21日)

第5回日本コロンビア合同経済委員会開く

−ウリベ大統領らが参加


日本経団連の日本コロンビア経済委員会(小島順彦委員長)は11日、都内で第5回日本コロンビア合同経済委員会を開催した。今回の会合には、日本側から約50名、コロンビア側からはガブリエル・シルバ団長ら約90名が出席したほか、米州開発銀行(IDB)の沖縄総会に参加するために訪日したウリベ・コロンビア大統領をはじめ、バルコ外務大臣、ボテーロ通商大臣、モンテネグロ国家企画庁長官、メヒーア鉱山エネルギー大臣など、主要閣僚が参加した。

会合において「コロンビアの政治・経済情勢について」と題して講演したウリベ大統領は、コロンビアが国家を挙げて治安の回復に取り組んでおり、テロや誘拐といった犯罪件数の減少などに着実な成果を上げていることや、治安の改善によって外国企業が一層活動しやすい環境づくりに努力していることを強調。また、経済面では小さな政府をめざして財政赤字の削減に注力し、年率約4%の経済成長を達成するなかで、失業率、インフレ率ともに低いレベルで安定するなど、順調な経済運営を行っていると述べた。

会合ではこのほか、コロンビア側出席者が、自由貿易協定(FTA)の締結にも積極的に取り組んでいることを説明。(1)今年2月にコロンビアなどがメンバーであるアンデス共同体と、ブラジルやアルゼンチンなどからなるメルコスールとの間で自由貿易協定が発効したこと (2)続いてコロンビアと米国との間でも自由貿易協定の交渉を進めており、今年秋には合意し、2007年の発効をめざして作業を進めていること (3)これに加えて、EUなどとも近く交渉を開始する予定であること――を紹介した。その上で、こうしたコロンビアの自由貿易協定のネットワークを活用すれば、「人口4400万人のコロンビア市場のみならず、周辺諸国の市場も視野に入れた経済関係の拡大が可能になると考えられる」との期待感を示した。

日本との投資保護協定の締結に意欲

さらにコロンビア側は日本との投資保護協定の締結に強い意欲を示し、「すでにスペインとの間では同様の協定を締結しており、現在、フランスと交渉を進めている。コロンビアは外国からの直接投資を増加させるために、強い決意を持って真剣に取り組んでいる」と述べ、具体的な協力分野として、首都サンタフェ・デ・ボゴタと太平洋岸のブエナベントゥーラを結ぶ道路敷設に伴うトンネルの建設など、インフラ整備に関わるプロジェクトをはじめ、ニッケルや金、銅などの鉱山開発、エタノールやバイオディーゼルなど環境に配慮したエネルギー分野での協力などに新たな可能性を見いだすことができると語った。

さらに、コロンビアの優秀な人材を活用して成功している事例として、二輪車の製造・販売やコーヒーの生産などの分野における日本企業とコロンビア企業との協力の成果を紹介。また、コロンビアからの対日輸出拡大のためには、従来のコーヒーやエメラルドのほかに、バナナなどトロピカルフルーツの有機食品も極めて有望であるとの考えを示した。

【国際協力本部中南米・中東・アフリカ担当】
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