日本経団連タイムス No.2765 (2005年4月28日)

奥田会長、ハワード豪首相と懇談

−日豪経済関係の重要性指摘/「一層の連携強化を」


日本経団連の奥田碩会長は20日、都内のホテルでオーストラリアのジョン・ハワード首相と懇談した。席上、ハワード首相は、日豪経済連携協定(EPA)締結促進への日本経団連の支援に謝意を述べた上で、協定締結に向けての研究会を設置することについて、小泉純一郎首相と話し合いたいと述べた。

これに対して奥田会長は、天然資源の問題に言及し、世界的な人口増加やBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の台頭などにより、「今後は石油や石炭、鉄鉱石などの枯渇化が進む」と指摘。天然資源の重要性が一層高まる中、それらを海外からの輸入に依存している日本にとって、天然資源輸出国であるオーストラリアとの経済関係は、さらに重要性を増してくると述べ、日豪間の一層の連携強化を求めた。

これに対しハワード首相は、「オーストラリアには天然資源の供給国としての役割がある。継続的なサプライヤーでありたいと思っている」と応じた。

日本の経済情勢について奥田会長は、「現在は少々足踏み状態だが、景気は上向いている」と述べ、近い将来、1〜2%の経済成長を達成できるとの見通しを示した。また、これまで日本経済が抱えてきた3つの過剰といわれる「不良債権」「過剰設備」「過剰人員」については、「ここにきて正常な状態に戻っている」との見方を述べた。

一方、ハワード首相は、オーストラリアについて、財政黒字や低いインフレ率、低金利、好調な企業投資といった好材料を挙げ、「経済は非常に強く、良い状況にある。自分は楽観的見通しを持っている」と語った。

【国際経済本部北米・オセアニア担当】
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