日本経団連タイムス No.2765 (2005年4月28日)

ミネタ・米運輸長官と懇談

−運輸関連通商問題などで意見交換


日本経団連の奥田碩会長は11日、東京・大手町の経団連会館で、アメリカのノーマン・ミネタ運輸長官と懇談し、日米経済関係や、アジアにおける運輸関連の通商問題などについて意見を交換した。アメリカ側はミネタ長官のほか、カラン・バティア次官補、ジェフリー・ランギ米国高速道路交通安全局長官らが出席した。

席上、ミネタ長官は日米間の航空サービス協定の重要性を強調。その上で、「同協定が1998年に締結されてからすでに7年が経過し、その間に状況は大きく変化した」と述べ、同協定について「どのような自由化の可能性があるか探りたい」との意向を示した。
またミネタ長官は、中部国際空港が開港したことについて、「日本とのビジネスが増えることを期待する」と述べる一方、日本の国際空港のキャパシティが増えなければ、「外国からの観光客やビジネス客は、日本を素通りしてシンガポールや韓国などのハブ空港に行ってしまうのではないか」との懸念を示し、羽田空港や中部国際空港の発着枠を増やすことについて、北側一雄国土交通相と話し合ったことを明らかにした。
このほかミネタ長官は、海運の自由化についても要請を行った。

奥田会長は、ニューヨークやその他の海外の大都市が、国際線と国内線双方の発着が可能な空港を備えているのに対し、「日本では、国際線と国内線の発着を同じ空港で行えず、問題だと思っている」と述べるとともに、そのため、羽田―成田間の連絡に約1時間かかるなどといった、利用者からの不満の声があることなどを紹介した。
また、現在、羽田空港を拡張し、乗り入れるエアラインを増やすための検討が行われていることについても、「それでも、十分なキャパシティがあるとはいえない。他のアジアの国には、もっと大きな空港ができている」として、国際化の時代にあたって、日本でも国際空港の一層の整備拡張が必要であることを強調した。

【国際経済本部北米・オセアニア担当】
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