日本経団連タイムス No.2765 (2005年4月28日)

第5回日韓交流会議を開催

−企業内複数労組への対応など韓国経総と意見交換


日本経団連は14−16日までの3日間、韓国の慶州と蔚山において、韓国経営者総協会(韓国経総)と事務局間の交流会議を開催した。日本経団連からは鈴木正人常務理事をはじめ4名が、韓国経総からは金正泰常務理事ら4名が参加した。同会議では、「企業内複数労働組合への対応」や「人事評価基準と若手登用の実態」といった日韓それぞれが提示したテーマについて両国が現状を報告し、意見を交わした。

まず、韓国経総側から提示のあった、企業内複数労働組合への対応について報告と意見交換を行った。韓国では、1980年に初めて企業別労働組合が認められたものの、その数は現在、企業内で1つと制限されている。しかしこれを改め、企業内の複数労働組合を認める改正法が、5年間の施行延期期間を経て2007年から施行されることとなった。これを受け、韓国経総は、改正法施行後に会員企業がどのような対応をとるべきか、情報収集を進めている。
そこで会議では、両国における企業内労働組合の現状を相互に報告した後、すでに現行の労働組合法制定当初から企業内の複数労働組合が認められている日本の実情について、日本経団連が改めて説明を行った。その中で、日本では思想的な背景から一部の企業内に複数の労働組合が存在しており、これら各々に対して中立かつ誠実に団体交渉を行っていることや、複数の労働組合が同じテーブルにつき、共同交渉を行うのは稀であることなどを説明した。

続いて、「企業の若手登用の実態」について意見を交換。まず日本経団連側から、日本企業における昇進の実態などについて統計を用いて説明した。その後、近年激化している国際競争において確固たる地位を築いている韓国大手企業に話題が集中し、日本企業と比べ人材の早期選抜が進んでいることや成果主義の導入に成功していることなどから、韓国経総がその秘訣などを解説した。
韓国経総は、「年功序列制度を維持したままでは労働者の能力発揮を促せない」との考えを示した上で、サムスンや現代、LGといった企業では優秀な人材を確保するために人材の早期選抜制度を導入していると述べた。さらに、韓国では企業経営者の評価基準の1つに、革新的な人材を有しているかどうかという基準があること、その評価向上のために社長自らが優秀な人材のスカウト活動を行っていることなどを紹介した。
一方、このような例は、超一流企業に限られる話と指摘し、一般的な韓国企業においては年功序列制度が中心であり、また、早期選抜制度を導入していても利用していない企業がほとんどであると説明。しかし、成果主義に抵抗を示さない世代が出てきていることから、一般企業でも早期選抜制度が普及する可能性はあると語った。

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両事務局の交流会議は、2001年5月に奥田碩日本経団連会長と金昌星韓国経総会長(当時)との合意に基づきスタートしたもの。日本と韓国で毎年交互に開催しており、今回が5回目。

【労働法制本部国際関係担当】
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