日本経団連タイムス No.2766 (2005年5月12日)

環境技術シンポジウム開催

−山本・環境安全委共同委員長、国民運動の重要性強調


日本経団連と経済広報センター(会長=奥田碩日本経団連会長)は4月26日、東京・大手町の経団連会館で、環境技術シンポジウム「みんなで取り組む温暖化対策―技術と工夫で減らせるCO!」と環境技術に関する展示会を開催、企業の環境対策担当者ら515名が来場した。

シンポジウムはまず、日本経団連環境安全委員会の山本一元・共同委員長が開会あいさつを行った。この中で山本共同委員長は、2月16日に発効した京都議定書に言及。同議定書よって、日本は2008〜12年の期間に温室効果ガスを1990年度比で6%削減する義務を負ったが、現状の対策のままだと10年度の総排出量が90年度比6%増加となることから、義務達成には今後12%の削減対策を実行しなければならないことを指摘した。その上で、義務の達成には国民1人ひとりや企業、政府、地方公共団体などが地球温暖化問題を自らの問題としてとらえ、「自覚と責任を持って行動を続けていくことが何よりも重要である」と語った。
また山本共同委員長は、日本経団連が取り組んでいる「環境自主行動計画」がCO削減に大きな効果を挙げていることを紹介。一方で、運輸部門やオフィス、家庭などの民生部門では90年度比20〜30%増と排出量が大幅に増加していることを指摘し、この分野について産業界としても、省エネ型製品やサービスの充実・普及、業務部門や運輸部門でのCO排出削減努力、物流効率化、従業員の家庭での省エネ支援などに努力を続けていくとの決意を表明した。と同時に、目標達成のためには、環境に対する国民運動を盛り上げることで、個人の意識改革を進めることが重要であることを強調した。
環境税や規制的手段によって政府主導型で環境対策強化を図ろうとする政府の一部の考えについては、環境税は日本の国際競争力を低下させ、企業が費用対効果を重視して進めている対策に水を差し、国の関与や歳出の肥大化を招くものであり、産業界として引き続き強く反対していくと述べた。
このほか山本共同委員長は、地球環境問題の基本となるのは、国民の環境意識の高まりが製品に対するニーズを誘発し、企業がこれに技術革新で応え、日本発の新たな環境技術を世界に展開して温暖化対策に貢献し、そこにさらなる切磋琢磨が生まれる――という好循環を形成していくことであると指摘。この好循環の中で重要な鍵となるのは技術力であり、この点で日本は世界最高水準にあり、エネルギー多消費産業といわれる鉄鋼や化学、紙パルプ、セメント、また火力発電などにおいてもエネルギー効率はトップクラスであると語った。

シンポジウムはこのあと、キャスター・エッセイストの福島敦子氏が「私の取材手帳から〜環境の世紀、21世紀のライフスタイルを考える」と題し基調講演を行ったほか、化学、石油、セメント、電力、電機・電子、ガス、自動車、製紙、鉄鋼の各業界団体代表者をパネリスト、日本経団連環境安全委員会の桝本晃章地球環境部会長をコメンテーター、シンクタンク・ソフィアバンクの藤沢久美副代表をコーディネーターとして、「環境技術と私たちのくらし」をテーマとするパネルディスカッションを実施した。

また環境技術に関する展示会では、化学産業団体・地球温暖化対策協議会や石油連盟、セメント協会、電気事業連合会、電機・電子温暖化対策連絡会、日本ガス協会、日本自動車工業会、日本製紙連合会、日本鉄鋼連盟の各団体がブースを設け、業界の地球温暖化防止対策への取り組みなどを紹介した。

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