日本経団連タイムス No.2772 (2005年6月23日)

「2005年度日本経団連規制緩和要望」発表

−15分野・247項目を列挙/規制改革・民間開放の一層の推進による経済活性化求める


日本経団連(奥田碩会長)は、会員企業・団体から寄せられた延べ812の個別の規制改革要望をもとに、15分野・247の項目を「2005年度日本経団連規制改革要望」として取りまとめ、21日に公表した。今年度から、取りまとめ時期を、例年の11月から6月へ前倒しすることにしたのは、これにより個別要望の実現に向けた働きかけの期間を十分に確保するのがねらい。

分野別では、金融・保険・証券(39項目)、雇用・労働(33項目)、土地・住宅・都市再生・観光(26項目)が項目数の上位3分野を占めた。新規要望は121項目と要望全体の半数に達し、ビジネスの現場では依然として規制改革に対するニーズが高いことが窺える。
また、建設業許可要件の緩和など、特に実現が求められる53項目を重点要望として列挙した(その他の例は文末参照)。
政策提言に相当する総論では、(1)市場化テストの本格導入に向けた制度整備 (2)規制改革・民間開放集中受付月間の制度改善 (3)地方における規制改革の推進――について言及した。

市場化テストの導入など

第1の市場化テストについては、現在、試行的に実施されているモデル事業の問題点について触れた上で、05年度中の早期に「公共サービス効率化法(市場化テスト法)案」(仮称)を策定し、国会へ提出することを求めた。また、06年度予算や定員策定プロセスとの連携を図ることが必要としている。
さらに、法に基づく民間有識者主体の、権威ある強力な第三者機関を設置することや、独立行政法人および地方公共団体の事務・事業を市場化テストの対象とすること、民間事業者が事務・事業を落札した場合の公務員の処遇のあり方の検討を求めている。

第2の集中受付月間の制度改善については、(1)検査・検定の見直しなど、共通の視点から府省横断的にブレイクスルーを図る手法の導入 (2)積み残し課題となっている要望のうち、規制改革・民間開放推進会議として特に重要と判断するものを抽出・公表し、集中的な検討を行うこと (3)要望の処理期間が実質的に2カ月と短く、提案者側の反論の準備が十分にできないなどの実態を改善するため、多くの要望が集中する「あじさい月間」(6月)に関しては、政府決定のタイミングを先に延ばす――などを提案した。

第3の地方における規制改革の推進に関しては、「規制改革なくして分権なし」の考え方に基づき、地方における「上乗せ・横出し」規制の見直しを国と地方が連携して行うべきとしている。

これらの要望については、今月一杯、規制改革・民間開放推進本部が実施している集中受付月間のスキームの中で検討され、関係府省との折衝を経て、今年9月中旬には政府としての対応方針が決定される予定。
日本経団連では、1つでも多くの要望実現に向けて、出井伸之副会長・行政改革推進委員長が村上誠一郎規制改革担当大臣に建議を行うほか、政府等の関係先に対し、積極的に働きかけを行う。

重点要望の例(カッコ内は分野名)

【産業本部行革担当】
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