日本経団連タイムス No.2785 (2005年9月29日)

第10回日中産業シンポジウム開催/「日中通商・経済関係の拡大と両国企業の協力・連携」テーマに

−アジア地域包含した戦略的構想、奥田会長が必要性指摘


日本経団連(奥田碩会長)は13日、東京・大手町の経団連会館において、中国企業連合会(陳錦華会長)と共催で、「第10回日中産業シンポジウム」を開催した。同シンポジウムは、日中両国経営者の相互理解促進を目的に、毎年、両国で交互に開催しているもので、今回は「日中通商・経済関係の拡大と両国企業の協力・連携」がテーマ。日本経団連の奥田会長をはじめ、柴田昌治副会長、庄山悦彦副会長、草刈隆郎副会長、岡村正副会長ら両国企業の代表約40名が参加した。両国の経済・通商関係を拡大し、企業においても協力・連携を推進していくべきという方向性について、日中の認識は一致しているものの、実行面では種々の障壁や相手への理解不足が見られる。シンポジウムでは、これを克服するために、企業同士の一層の交流と協同が必要であることが確認された。

冒頭のあいさつで奥田会長は、両国の通商・経済関係拡大のためには、アジアの経済発展を促して、より大きな市場を創出し、その中で国際分業に基づき両国の通商・経済関係を拡大していくというアジア地域を包含した戦略的構想が必要であると指摘。また、両国企業の協力・連携を考える上でも、アジアや世界レベルの影響を考慮し、持続的発展への寄与という視野を持つことが重要であると説いた。

これを受けて、中国企業連合会の張彦寧常務副会長は、経済分野で相互補完関係にある両国は、中国の改革開放以来、貿易などの経済交流を順調に拡大してきたと述べ、さらなる交流の拡大を図り、WIN―WINの関係を築くため、両国の経営者が大いに知恵とアイデアを出し合わなければならないことを強調した。

討論においては、両国経済・通商関係の拡大の方策を探るというテーマの下、今後は2国間関係に加えて、東アジア全体の自由経済圏をめざして、韓国やASEANを含む、幅広い経済・通商関係を築くことが重要であるという点で、参加者の意見が一致した。

産業・企業レベルでの新たな協力・連携方策については、まず技術面で、中国側が、「日本企業は、さまざまな分野において、最新技術を中国に導入しない傾向にある」と主張した。これに対し、日本側は、「多くの最新技術を中国に導入しており、中国の経済発展に貢献してきた。そうでないと認識されるのは、中国側の未整備のインフラや不十分な受け入れ体制が影響しているのではないか」と述べるなど、意見の応酬があった。

企業間の人材面での協力については、人事制度なども含めて「現地化」を推進する日本企業の姿を、各社が事例を挙げて説明した。多くの日本企業が中国の人材を確保・定着させるのに苦労する中、解決策として、日本での留学経験のある中国人材を活用することが両国参加者から提案された。

市場へのアプローチ面での協力については多くの参加者が、両国企業には、中国市場、日本市場を協力して開拓するのみならず、今後、第3国市場、国際市場を協同して創出することが求められるとの意見を表明した。

【労働法制本部国際関係担当】
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