日本経団連タイムス No.2788 (2005年10月20日)

日本経団連洋上研修団が出発

−「職場改革のビジョン」求めて


第41回日本経団連洋上研修団が18日、横浜港大桟橋から9日間の研修航海に出発した。全国の94企業・団体から参加した管理・監督者192名が、「職場改革のビジョン」を総合テーマに、講義やグループに分かれての課題討議を通じて、今必要とされる職場のリーダー像や職場活性化の条件などを探る。出航直前の横浜・大桟橋には、台風の影響による雨模様にもかかわらず、家族や職場の同僚らが見送りに駆けつけ、大きな声援を送りながら、研修団一行を送り出した。

出航に先立って、今回の研修の舞台となる「ふじ丸」(2万3000トン)内の講堂において、壮行式が行われた。まず、紀陸孝・日本経団連常務理事が主催者を代表してあいさつ。同洋上研修の意義を理解し、参加者を派遣した人材育成に熱心な企業・団体に対し、主催者を代表して謝辞を述べるとともに、団員には、「船上での相互啓発や異業種交流はもとより、発展著しい中国、韓国の産業事情、市民生活などを視察し、国際感覚を培うことも洋上研修の重要なテーマ。大いに研鑚を積んで、研修終了後には、職場でその成果を存分に発揮してもらいたい」と激励した。
続いて、来賓として尾功・神奈川県経営者協会副会長が、また、研修船「ふじ丸」の畠村外志行船長が研修の成功を期待しそれぞれあいさつ。
また、これらを受け、今回の研修団代表を務める鈴木正人・日本経団連常務理事が答辞を述べた。鈴木代表は、「船内研修では、『職場改革のビジョン』を探るべく、徹底した課題討議と経験交流を重ね、大きな成果を挙げたいと思う。また、21世紀はアジアの世紀といわれるが寄港地の上海、釜山で現地事情を学ぶだけでなく、翻って日本のありようにも思いを馳せてほしい」と、研修に臨む決意を力強く示すとともに、団員を激励した。

一行は横浜出航後、船内で講演や実務講座などを受講するほか、テーマ別のグループ単位で課題討議を進めていく。課題討議は、講演などをベースに、(1)討議テーマの設定・分析 (2)研修課題の決定・発表 (3)あるべき姿の検討 (4)職場の現状分析 (5)克服すべき課題の整理――などのステップを踏み、解決すべき課題に対して行動計画を短期計画・中期計画に分けて作成する。
班には、それぞれグループの課題討議をリードするコーディネーターがつくが、今年は新たな試みとして、コーディネーターのアドバイザー役が乗船。吉田寿・UFJ総合研究所プリンシパルと中島豊・ギャップジャパン人事部長の2氏がその役にあたる。課題研修のアドバイスとともに、吉田氏は「これからの企業・これからの人事」「元気な会社はどこが違うか」をテーマに、中島氏は「やる気が生まれるメカニズム」「こうすればうまくいく部下指導」をテーマにそれぞれ2回講演を行う予定。

また、寄港地上海では(1)上海凸版有限公司 (2)ダイキン工業上海有限公司 (3)上海タイヤ&ラバー有限公司 (4)上海戯劇学院附属戯曲学校の4企業・団体を訪問し、現場の見学と同時に、意見交換によって交流を深め、26日に横浜に戻る。

【出版・研修事業本部研修担当】
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