日本経団連タイムス No.2795 (2006年1月1日)

奥田会長記者会見

−06年日本経済の展望などで見解


日本経団連の奥田碩会長は12月19日、東京・大手町の経団連会館で2005年最後となる記者会見を行った。

05年の回顧と06年の日本経済の展望について問われた奥田会長はまず、日本経団連としては日本経済が上昇局面に入ってきたという点で何らかの貢献はできたと思うと語った。また、06年の日本経済については、政治情勢やエネルギー価格などのリスク要因はあるものの、2%程度の成長はできるのではないかとの見通しを示した。

06年の春季労使交渉の見通しについては、企業業績が改善していることから、従業員から賃上げ要求が出る企業もあるのではないかとした上で、春季労使交渉は賃金以外のさまざまな問題も含めて行うべきであることを強調した。

05年12月13〜18日に香港で開催された世界貿易機関(WTO)閣僚会議への評価については、難しい会議になるとの予想通りになったとの所感を述べるとともに、新ラウンド交渉をできるだけ早くまとめてほしいと語った。

また、前回の会見(05年12月13日号既報)で現在の状況を「バブル的雰囲気」と発言したことに関連して現在の認識を問われた奥田会長は、景気が回復しつつあるなかで、日本中に「カネさえあればよい」という気分が漂ってきており、他人へのやさしさや弱者へのいたわりなどといった心が失われているのではないかという危機感から、前回の会見で発言した、と真意を説明した。

【社会本部広報担当】
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