日本経団連タイムス No.2802 (2006年2月23日)

労働法規委員会・労働法専門部会・労働法企画部会合同会合を開催

−今後の労働時間制度に関する研究会報告/厚労省から解説聴取


日本経団連の労働法規委員会(藤田弘道委員長)と、その下部組織である労働法専門部会・労働法企画部会(いずれも小島浩部会長)は8日、都内で合同会合を開催した。
合同会合では、大西康之厚生労働省監督課長から「今後の労働時間制度に関する研究会」(学識経験者で構成する厚生労働大臣の私的研究会)が1月に発表した報告書についての解説を聴いた。

この中で、大西監督課長は、「すべての労働者が、仕事と生活を調和させて働くことを実現するという観点から検討した。自律的に働き、労働時間の長短ではなく、成果や能力などにより評価されることがふさわしい労働者について、現行の労働時間制度では対応できていない部分がある。そこで、労働時間制度全般について、運用や制度そのものの見直しを行うことが必要」と説明した。

なお、同研究会報告書には、「ホワイトカラーのうち、仕事の専門性と時間管理の自己裁量性が高い労働者については、労働時間・休憩・休日・深夜にかかる労働時間規制の適用除外とすること(ホワイトカラーエグゼンプション制度)」や「管理職に対し現行の深夜業に関する規定を除外すること」など、昨年6月に日本経団連が発表した「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」2005年6月23日号既報)での主張が取り入れられている。

続いて、坂本耕一厚生労働省勤労者生活部企画課長から「労働時間等設定改善指針(案)」について解説があった。この指針(案)は労使の時短の取り組みを支援するもの。指針の狙いについて、同課長は「労働者が、心身の健康を保持し、職業生活の各段階において、家庭生活や、職業能力開発、地域活動等に必要とされる時間と労働時間を柔軟に組み合わせ、心身共に充実した状態で意欲と能力を十分に発揮できる環境を整備していくことが必要」と説明した。

厚生労働省は、同研究会報告を受け、今後、労働政策審議会(労働条件分科会)においてさらに、労働時間法制のあり方について労使を含めた検討を行う。労働時間等設定改善指針については、06年4月1日施行予定で調整している。

この日の合同会合では、このほか、事務局が労働契約法制・労働時間法制について、労働条件分科会の審議状況を説明。日本経団連としては引き続き専門部会・企画部会において検討を行い、かねて主張しているホワイトカラーエグゼンプションや、解雇の金銭解決制度についての早期導入、法案化を要望していく考えであることを示した。また、労働審判員候補者の推薦手続き状況などについて報告を行った。

【労働法制本部労働法制担当】
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