日本経団連タイムス No.2808 (2006年4月6日)

奥田会長記者会見


日本経団連の奥田碩会長は3月30日、東京・大手町の経団連会館で2005年度として最後の記者会見を行った。

まず、会見当日に1万7000円台をつけた株価の動向について問われた奥田会長は、景気の回復や好調な企業業績などの好材料を受けて、株価は全体として上昇傾向にあるとの見方を示した。

また、景気が回復している中で拡大しているとの指摘がある格差の問題については、「市場経済体制の中では、成功する人・成功しない人が出てくるのは当然のこと」と述べ、必要以上に格差を問題視することは、成功した人に対する嫉妬をかきたて、結果としての平等を求めるだけになると警鐘を鳴らした。その一方、弱者に対してはセーフティネットを講じ、敗者に対しては再挑戦できる仕組みを整備する必要があると語った。

大手鉄鋼3社が共同で買収防衛策を検討すると発表したことに関しては、詳細は承知していないと断った上で、敵対的買収に対する防衛策として、企業間での株式持ち合いの動きは今後出てくるとの考えを述べた。

今月6日で戦後3番目の在任期間となる小泉政権が行っている小泉改革に対する評価を求められた奥田会長は、「小泉改革がなければ現在の日本経済の回復はなかった」と評した。さらに、ポスト小泉となる次の自民党総裁に希望することとしては、(1)小泉改革路線を引き継ぎ、フォローアップできる(2)外交面で新たな局面を展開できる――の2つを挙げた。

【社会本部広報担当】
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