日本経団連タイムス No.2812 (2006年5月11日)

奥田会長記者会見

−最近の為替動向が企業収益に与える影響などで見解


日本経団連の奥田碩会長は8日、東京・大手町の経団連会館で会長・副会長会議後に記者会見を行った。

会見当日に東京市場で1ドル111円台をつけるなど、円高傾向にある最近の為替の動向が企業収益に与える影響について問われた奥田会長は、為替の動向は予測できないとした上で、「輸出企業にとっては、1ドル110から120円あたりがよい水準」と指摘。これ以上の円高水準で中長期的に推移すると企業業績にも影響が出てくるとの認識を示した。また、政府の為替市場への介入に関しては、円高が一時的ではなく、ある程度中長期にわたって続くようであれば適切な対策が必要になる可能性があると語った。

2007年度中の消費税率の引き上げは困難との意見が自民党から出ていることについては、「できるだけ早期に10%程度にまで引き上げるべきというスタンスに変わりはない」と述べるとともに、消費税率の引き上げは、政府による徹底的な歳出削減が前提となることを強調した。

阪神電気鉄道と同社の筆頭株主であるM&Aコンサルティング(村上ファンド、村上世彰代表取締役)とのやりとりについては、村上ファンドが阪神電鉄の企業価値を高める経営を行うつもりなのか、企業の株式を買い集めて、その企業に高値で買い取りを求める“グリーンメーラー”なのか、その意図を見極めて阪神電鉄は対応すべきであると指摘した。
さらに、経営者は自社の株価や株式の取引状況に絶えず注意を払っていなければならないと語った。

【社会本部広報担当】
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