日本経団連タイムス No.2815 (2006年6月1日)

御手洗会長が記者会見で抱負

−「豊かな社会の実現」めざす


日本経団連の御手洗冨士夫会長は5月24日、東京・大手町の経団連会館で第5回定時総会後に記者会見を行った。

会見の冒頭、日本経団連会長に就任しての抱負を問われた御手洗会長はまず、キャッチフレーズとして、「INNOVATE 日本」を掲げ、「復活してきた日本経済の成長を確実なものとして、将来の大きな成長につなげたい。そのために、広い意味でのイノベーション(変革)をめざしたい」と、その趣旨を説明した。また、日本経団連会長としてめざすのは「豊かな社会の実現」であるとし、それは、「人々に等しく多くのチャンスがあり、たとえ一度失敗しても再び挑戦できる社会、そして弱者にはセーフティネットが用意されている社会」であると語った。さらに御手洗会長は、向こう10年程度を視野に、さまざまな課題を取り上げ、その解決策・対応策を「ビジョン」として取りまとめ、来年初頭を目途に発表したいとの意向を明らかにした。

政治との関係については、「政治と経済とは車の両輪である。両者が緊密に議論できる関係であるよう、協力していきたい」とした一方、「馴れ合いや癒着があってはならない」と述べ、政治と経済は一定の緊張関係のある距離を保つことが望ましいとの認識を示した。

中長期的な景気の先行きについては、「懸念材料はあるものの、さまざまな指標などからみても景気は回復している」とし、今年度は2%強の実質成長率が見込まれるとの分析を披露した。

また、外国人の受け入れに関して御手洗会長は、基本的に賛成であると述べた上で、政府間で経済連携協定を結ぶなど、秩序ある形で受け入れを行うことが必要との考えを示した。

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会見には御手洗会長のほか、新たに選任された2名を含む15名の副会長も同席、各副会長が担当する委員会の抱える課題と今後の取り組みについて語った。

【社会本部広報担当】
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