日本経団連タイムス No.2815 (2006年6月1日)

地方団体長会開く

−和田議長らの再選を承認/地方経協の実情めぐり意見交換


日本経団連は5月25日、都道府県別の経営者協会の会長で構成する地方団体長会の第9回会合を、東京・大手町の経団連会館で開催した。会合には御手洗冨士夫会長、奥田碩前会長、地方団体長会議長で東京経協会長を務める和田紀夫副会長、地方団体長会副議長を務める岡部弘愛知経協会長、地方経営者協会の会長らが出席。議長・副議長の選任を行ったほか、日本経団連の重点活動事項や社会労働情勢に関して事務局が報告するとともに、各経営者協会の実情に関しての意見交換が行われた。

冒頭あいさつに立った奥田前会長は、24日の日本経団連定時総会で会長職を退いたことを報告。会長時代の各経営者協会の協力に謝意を表明した。その上で、御手洗新会長を紹介し、日本経団連への一層の支援・協力を要請した。さらに奥田前会長は、構造改革は道半ばであり、政府が改革の手綱を緩めないよう地方経協も具体的提言を行っていく必要があることを強調した。

続いて御手洗会長があいさつ。この中で御手洗会長は、(1)地方は国に安易に頼らずに自ら目標を定め振興をリードする(2)「官から民へ」の流れを地方においても一層加速し、民間の活力を最大限活かして雇用を拡大する(3)産業のみならず社会をも含めたイノベーションを推進する――ことが必要であると指摘し、これらの課題への地方経協の取り組みを求めた。

和田議長はあいさつの中で、経営労働政策委員会報告の取りまとめ時をはじめ、奥田前会長が各面にわたり、地方の意見を最大限に尊重してきたことに謝意を示すとともに、今後は御手洗会長の下、地方経営者協会が一致協力して、構造改革推進の一翼を担っていくとの決意を表明した。
議長・副議長の選任では和田議長、辻井昭雄副議長(関西経協会長)、岡部副議長の再選を満場一致で承認した。

意見交換では各経協から「会員企業の維持・拡大が課題」「地域雇用対策に注力しているが、厳しい状況が続いている」「特に、若年者・高年齢者の雇用対策に努力している」「会員企業の啓蒙や個別の労務相談に力を入れている」「産学連携による産業振興に努めている」「地場産業の付加価値を高めるのが課題」「観光の振興に力を注いでいる」「日本経団連の政策の経協内浸透に努めている」「サービス業会員の拡大が課題」「環境問題への対応、科学技術振興、人材育成に注力している」「経協の存在感をいかに高めるかが最大の課題」「大企業・中小企業への等しい目配りが必要」「外国人労働者問題に注目すべき」「県政への提言に力を入れていく」「グローカル企業の育成が必要」「政労使三者の連携がうまくいっている」「地方の声をぜひ政府に伝えてほしい」「地方分権の推進が肝要」などの活動・現状報告や課題提起があった。

全体を総括して御手洗会長は、地方経協の発展と地方における影響力の拡大が、日本経団連が推進する構造改革の実現にとって重要な鍵になることを理解したと述べるとともに、日本経団連と地方経協が、今後、具体的にどのように連携していくことが望ましいかについて改めて意見を頂戴したいと要請した。また奥田前会長は、「地方が強くならないと、日本は強くならない」との考えを示した。

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