日本経団連タイムス No.2818 (2006年6月22日)

訪欧ミッション派遣

−EFTA諸国、ポーランドに


日本経団連は、6月24日から7月2日にかけて、米倉弘昌副会長・ヨーロッパ地域委員長を団長とする訪欧ミッションを派遣する。訪問国は、EFTA(欧州自由貿易連合)諸国のアイスランド、ノルウェー、スイスと中東欧地域のポーランドの4カ国。団員は、いずれも欧州各地で活発な事業活動を展開しているわが国の代表的企業14社の役員・幹部社員20名から構成される。業種としては、化学、電機、自動車、機械等のメーカーや、商社、航空、金融など多岐にわたる。

EFTA諸国は、欧州にありながら、これまであえてEU加盟を選択せず、通貨・通商政策などの独自性を維持しつつ、EUとの経済的結びつきを強めてきた。その結果、経済面においてはEU加盟とほとんど大差ないほどEU市場との統合を実現するとともに、EU平均をはるかに上回る経済水準(1人当たりGDP等)を達成している。最近では、いずれのEFTA諸国も互いに競い合うように、わが国とのEPA/FTA(経済連携協定、自由貿易協定)締結を熱心に働きかけてきている。今回も訪問の先々で、EPA/FTAがテーマとなるものと予想される。
一方、ポーランドは2004年5月のEU拡大時の新規加盟国10カ国の中で、最大の人口と経済規模を誇る。加盟前から、積極的に外資を導入し高い経済成長を実現してきたが、EU加盟で国家経済の自由化と効率化が促進される一方、国内産業が一層厳しい国際競争にさらされることになる。このため、ポーランド経済の活性化と競争力の強化に向け、日本からの製造業部門を中心とする直接投資への期待には、これまで以上に大きいものがある。
わが国経済界としては、これらのEU内外の欧州諸国が、欧州統合の流れをどうとらえ、その中で自国の経済発展をどう確保していこうとしているのか、また、その過程においてわが国企業にとってどのような新たなビジネス・チャンスがあるのか、といった点について大きな関心を持っている。

今回の訪問国のうち、アイスランドについては日本経団連として1988年以来、実に18年ぶりの訪問となる。首都レイキャビックでは、グリムソン大統領、ホルデ首相はじめ政府首脳と会談することになっている。その他の訪問国においても、政財界の首脳と会合を開催し、共通のグローバル課題や日本と訪問各国との経済交流拡大の方途などについて幅広く意見交換を行う予定である。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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