日本経団連タイムス No.2827 (2006年8月31日)

06年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果発表

−大卒事務系20万3960円/対前年上昇率、ほぼ横ばい


日本経団連は29日、2006年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」<PDF>を発表した。この調査は、今年3月に学校を卒業して4月に入社した新規学卒者(新入社員)に対して実際に支払われた初任給(決定初任給)を調べたもの。今回の調査結果のポイントとしては、(1)事務系の初任給水準は大学卒20万3960円(対前年上昇率0.36%)、高校卒15万9222円(同0.34%)(2)初任給の対前年上昇率は0.23〜0.46%でほぼ横ばい(3)初任給を据え置いた企業の割合は8年連続で5割超(68.9%)――などが挙げられる。同調査の概要は次のとおり。

1.初任給水準

初任給水準は、大学院卒事務系22万2050円、大学卒事務系20万3960円、高専卒技術系17万9378円、短大卒事務系16万9665円、高校卒事務系15万9222円、高校卒現業系16万390円となっている。
また、初任給の対前年上昇率は、大学院卒事務系0.46%、大学卒事務系0.36%、高専卒技術系0.37%、短大卒事務系0.23%、高校卒事務系0.34%、高校卒現業系0.35%となっており、前年と比べると、若干アップはしているものの、ほぼ横ばいで推移している。

2.産業別・規模別にみた初任給

(1)産業別

大学卒事務系では、最高が「石油・石炭製品」の26万500円、次いで「新聞・出版・印刷」の22万2063円、「紙・パルプ」の21万2100円の順になっている。一方、最低は「金融・保険業」(18万755円)となっており、「電気・ガス業」(19万8201円)と「その他の製造業」(20万1701円)が続いている。

(2)規模別

大学院卒事務系では「100〜299人」規模が22万8613円で最も高くなっているほか、大学卒事務系と短大卒事務系、高校卒事務系では「100人未満」規模が、それぞれ21万2262円、19万9050円、17万4800円、高校卒現業系では「1000〜2999人」規模が16万2212円で、最も高くなっている。
また、従業員3000人以上の大企業の各学歴別初任給を100.0としてみると、大学卒事務系、高校卒現業系では従業員3000人未満のすべての規模で100.0を上回っている。

3.初任給の決定状況

「前年の初任給のまま据え置いた(凍結)」企業は6割強(68.9%)で、前年(86.0%)より減少したものの、初任給凍結企業の割合は、1999年から8年連続して5割を上回っている。
一方、「求人賃金として前年の初任給を示したが、その後引き上げた」企業は27.9%(前年12.3%)となっている。

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「新規学卒者決定初任給調査」は、新規学卒者の初任給の実態と動向を把握し、今後の初任給対策の参考とするために、1952年から毎年実施しているもの。今回の調査は、日本経団連の企業会員会社および東京経営者協会会員会社2070社を対象に調査を行い、667社(製造業48.4%、非製造業51.6%)から回答を得た(有効回答率32.2%)。

【労政第一本部労政担当】
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