日本経団連タイムス No.2828 (2006年9月7日)

キルキラス・リトアニア首相来訪

−佐々木共同委員長と懇談


リトアニア共和国のキルキラス首相が8月30日、日本経団連を訪問し、佐々木元・ヨーロッパ地域委員会共同委員長と懇談した。

キルキラス首相はまず、7月に発足した新政権の重要な目標の1つは、海外からの投資を促進することであると述べた上で、2004年のEU加盟後も経済成長は著しく、今年のGDP成長率は8.8%となる見込みであると、好調な経済状況を紹介。リトアニアを含むバルト3国が、他のEU諸国に比べて2〜3倍の率で成長を遂げており、日本企業が進出するにふさわしい環境が整っていることを強調した。
また、キルキラス首相は、リトアニアの地理的条件も投資先としての魅力の1つであると述べた。その理由として、リトアニアがバルト海に面するクライペダ港を擁し、北欧諸国へのアクセスを有していること、また、ロシアの中でも経済活動に対する優遇措置が実施されているカリーニングラードと密接な関係にあり、多数のリトアニア企業が進出していることを挙げ、リトアニアを基盤にしてロシア市場のみならず、EU市場へアクセスすることが可能であると述べた。
さらに、リトアニアの法人税等が他のEU諸国に比べ低いことに言及。自由経済地域に指定されているカウナスとクライペダはさらに税率が低くなっており、外国企業がこれらの地域への投資を盛んに行っていることを紹介した。
その上で、日本からの投資は現状ではまだ少ないと述べ、今後への期待を示した。最後に、二重課税防止のための条約について、中国、韓国を含む多くの国と締結しており、日本との租税条約の締結への期待を示した。

これに対し佐々木共同委員長は、04年3月に日本経団連のミッションが訪問以来、リトアニアが順調に発展を遂げていることがわかった、その努力に敬意を表したいと感想を述べた。
また、リトアニアへの投資を増やすためには、日本でのリトアニアの認知度を上げることが必要であろうと述べた。一般の人にリトアニアを知ってもらうという意味で、観光客誘致も重要な要素であるとの認識を示し、バルト3国が協力して、観光客誘致を行うことも有用であろうと述べた。

【国際第一本部欧州・ロシア担当】
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