日本経団連タイムス No.2831 (2006年9月28日)

「日本経団連グリーンフォーラム」9月講座開催

−「目標達成のためのコーチング」テーマに/基礎からプロセスまで実習を交え学ぶ


「プロフェッショナルのコアスキルを学ぶ」を総合テーマとして開講した日本経団連グリーンフォーラムは、12日に9月講座を都内で開催した。今回は「目標達成のためのコーチング」をテーマに、講師に本間達哉コーチ・エィ・シニアエグゼクティブコーチを迎え、コーチングの基礎からプロセスまで実習を交えて学んだ。

第1講義は、「コーチングとは何か、コーチの役割とは何か」からスタートした。本間講師は、スポーツ選手にコーチがついて成果を上げているように、ビジネスマンにもコーチが必要であることを指摘。また、コーチはコーチングする相手を「大切な人」と思えるかどうか、相手の望む目標・ビジョンを明確に設定することできるかどうかが大事であることを強調した。
さらに、コーチングの定義を「目標達成に必要な知識・技術・資源を双方向コミュニケーションで相手に備えさせること」、また、コーチングスキルとは「相手の自発的な行動を促すコミュニケーション技術」であり、すでに知識としてわかっていることに対して、いかに人を動かすかであると解説。(1)双方向(一方通行にならない)(2)個別対応(人の特質、強み弱みによって変わる)(3)継続性(フォローアップが不可欠)――の3つを原則に、アクティブに傾聴し、効果的な質問をつくって積極的に応じ、それに対してアクノリッジ(承認、理解)することが基本技術として必要であることを示した。

第2講義はグループに分かれ、実際にコーチングを体験。本間講師は、コーチングを行う際に大切なこととして、まず、日ごろから常に相手に何らかの働きかけを行っておくこと、その上で相手を観察し、「I」「We」を主語としたメッセージを発することが求められると指摘。さらに、コーチングで特に重点となるアクノリッジに関して、参加者それぞれが、これまでにアクノリッジによってモチベートされ勇気づけられた体験を、グループ別に発表した。

続いて、コーチングの基本的なプロセスについて整理。準備段階のセットアップに始まり、現状と目標を明確化し、ギャップを分析し、それを相手の自発的な行動に導き、最後にフォローすることが重要であることを学び、参加者同士でコーチングを実習した。

講義の最後に本間講師は、「コーチングスキルとは双方向のコミュニケーション技術であり、相手に自発的な行動を促すための手法。それによって企業風土を変えていくことができる。常に相手のリセプター(情報を受信する器官)が開くような意識をもってコーチングに臨んでほしい」と、参加者に期待を述べた。

【事業サービス本部研修担当】
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