日本経団連タイムス No.2836 (2006年11月9日)

日本経団連洋上研修団が帰国

−新しいリーダー像など探る/グループ別「課題研修」で成果


第42回日本経団連洋上研修は、研修船「ふじ丸」に企業の第一線で活躍する管理者・監督者212名が乗船し、10月17日に横浜港を出港、上海、釜山を経て、同月25日に帰国した。

今回の研修は、昨年に続き「職場改革のビジョンを描く」を総合テーマとし、新しいリーダー像や職場活性化の条件などを探るとともに、全国各地から同研修に集まった数多くの異業種異職種の参加者の交流を図ることを目的とした。
研修プログラムは、全員が一堂に会してアドバイザーや講師から講義を聴く「プログラム講座」のほかに、より身近なところから職場改革の糸口を見つけられるように、管理者と監督者を分けた職種別の「コース別講座」を今年から新たに設け、実施した。

研修時間の大半を占める「課題研修」は、班を構成するグループごとに進められた。全参加者は4班に分かれ、その中に8名前後で編成するグループを設けた。今回は、より業務に密着した共通のテーマを取り上げ、討議を進めやすいように、グループ編成も職種別とした。
各班にはベテランのコーディネーターが付き、討議の狙いや進め方などを指導。グループごとに話し合いで決められたテーマは、モチベーションやリーダーシップ、コミュニケーション、部下育成、技術伝承など、多岐にわたった。各グループは、設定したテーマについて、社内・社外の環境両面からの状況分析を行い、討議テーマの今日的意義を検討した。さらに、職場の現状分析、理想と現実のギャップの明確化を経て、解決すべき課題に向かって自分たちがどのような行動を取るべきかを短期計画・中長期計画としてまとめた。

寄港した上海では4つのグループに分かれ、現地の企業や学校を訪問した。今まさに飛躍しようとする国家を象徴するような、エネルギーに満ちあふれた現場を目の当たりにすることができた。中でも「競争」を意識させる教育現場には、多くの参加者がその厳しさに驚きを覚えた。
また韓国の釜山にも寄港し、オプショナルツアーでの釜山や世界遺産の慶州の訪問、韓国新幹線KTXの乗車などにより、同国の伝統と文化の一端を垣間見ることができた。

釜山出港後は、課題研修も大詰めを迎え、研修に当てられた時間のみならず、夕食後にも寸暇を惜しんで真摯に討議を続けるグループが船内のあちらこちらで見受けられた。最終日には、各班から選ばれた代表グループが、研修の成果について報告。それに続く研修修了式では、茂木賢三郎名誉団長が参加者一人ひとりに修了証書を手交し、今後の活躍に期待するはなむけの言葉を贈った。一時、船は大きく揺れることもあったが、すべてのスケジュールを終え、予定どおり横浜に帰港した。

【事業サービス本部研修担当】
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