日本経団連タイムス No.2845 (2007年2月1日)

ビジネス・ラウンドテーブルとの会合開催

−地球環境問題など5議題めぐり意見交わす


日本経団連(御手洗冨士夫会長)と、米国の有力企業約150社のCEOで構成される経済団体であるビジネス・ラウンドテーブル(BR、マグロー会長)は1月19日、ニューヨーク市において会合を開催した。

日本経団連からは御手洗会長はじめ、西室泰三評議員会議長、宮原賢次副会長、米倉弘昌副会長らが出席。地球環境問題やWTOドーハ・ラウンド交渉、日米経済連携協定(EPA)、中国市場への取り組み・課題、途上国における経済成長の促進の5つの議題について意見交換を行った。また、会合における議論を踏まえ、日米EPAに関する共同声明会合全体に関する共同声明を採択した。

議題のうち、日米EPAについては、包括的で高いレベルの日米EPAは、将来にわたる両国の強固な同盟関係を象徴し、日米経済関係に長期的安定とさらなる発展の機会をもたらし、アジア太平洋地域における経済連携の推進にも資するという認識で一致、交渉の枠組みに向けた検討を開始するよう両国政府に求めることで合意した。
具体的には、日本経団連およびBRは両国政府に対し、産学官による共同研究をできる限り早く開始するよう求めること、両団体が協力して、交渉の枠組みおよび内容について、民間部門の意見を提言することで合意した。
WTOドーハ・ラウンド交渉については、途上国を含めた世界の経済成長のためには、貿易・投資の促進が極めて重要であることから、中断している同交渉を早期に再開させるため、日米両国政府が指導的役割を果たすべきとの認識で一致し、交渉担当局に今年春までに交渉を再開するよう求めることで合意した。

BR側からは、ドーハ・ラウンドが成功しなければWTOは弱体化し、既に来年の大統領選挙に向け高まりつつある米国議会の保護主義的傾向や、アジア、日本でも保護主義が高まることへの懸念が示された。
中国市場への取り組み・課題については、中国市場は日米両国にとって重要であることから、法・規制の透明性の一層の向上、知的財産権の実効的保護、サービス分野のさらなる自由化など中国におけるビジネス環境の改善に向けて協力していくことで合意した。
地球環境問題については、BR側から、最近の異常気象やエネルギー価格高騰、ゴア前副大統領の映画などにより、近年、米国でも地球温暖化問題への関心が高まっており、BRでは、地球温暖化問題への啓蒙や産業界の自主的取り組みを推進しているとの説明があった。

日本経団連側も「環境自主行動計画」などの取り組みを紹介し、両団体は地球温暖化問題の解決には、新技術の開発とともに、産業界が温室効果ガス削減に向けた自主的取り組みを進めることが重要であるとの認識で一致した。
また、地球温暖化はグローバルな課題であることから、インドや中国などの途上国を含む国際的協力が重要との認識で一致した。

【国際第一本部北米・オセアニア担当】
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